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『崖の上のポニョ』には、3.11の前後が描かれていた?

『崖の上のポニョ』には、3.11の前後が描かれていた?

J-WAVE日曜の番組「MORI BUILDING presents TOKYO CONCIERGE」(ナビゲーター:八木亜希子・御代田悟)。2001年からスタートし、3/31の放送で12年間の歴史に幕を降ろした同番組。最終回のオンエアでは「最終回 コンシュルジュ座談会!」と題し、各界のスペシャリストが集まり、それぞれのジャンルの「過去・現在・未来」を熱く語り合いました。

「過去」をテーマにした話題では、番組がスタートした2001年から12年間で一番印象に残ったことを、それぞれのスペシャリストにうかがいました。

ロック・ジャーナリストの鹿野淳さんが一番印象に残ったのは、2002年12月21日に横浜アリーナ行われた「Mr.Children」のライブ。“ポップモンスター”として活躍していた同バンドが唯一低迷していたこの時期。それは、ボーカルの桜井さんが小脳梗塞で倒れ、一度リタイアしていたからだそうです。ツアーをキャンセルし、何億円もの負債を抱えたそうなのですが、一夜限りの復活ライブとして行われたのがこの横浜アリーナでした。3曲目に『NOT FOUND』という、ハイトーンで歌う曲が歌われたときに、鹿野さんは自然と涙が流れたと言います。実は桜井さん、お医者さんから「まだ、頭に血がのぼるとまずいから、この曲は歌うな」と止められていたそう。

「最近、ミュージシャンが身体を壊して大変だという話もあるんですけど、そういう人へのエールになるライブだったのではないかなと思いました」(鹿野さん)

編集者で映画評論家の清水節さんが一番印象に残った映画は、2008年公開の『崖の上のポニョ』。清水さんは「誤解を恐れずに言えば、3.11の前と後がこの中に入っていますね」と話します。清水さんは当時、批評で「溢れんばかりのイマジネーションの大津波を日本人に浴びせかけ、心を蘇生させる」と書いたそうですが、その後、日本には3.11で本物の大津波が来てしまい、同映画の中にはその後も描かれていると言います。

「宮崎駿さんという国民的作家の中には、予見する力もあるなということで驚きました」(清水さん)。

たしかにそれらのライブや映画を、いま鑑賞すると感慨深いものがありますね。

【関連サイト】
「MORI BUILDING presents TOKYO CONCIERGE」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/concierge/

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