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公演中にいきなり代役で トスカニーニのデビュー秘話

J-WAVE午後の番組「RENDEZ-VOUS」(ナビゲーター:レイチェル・チャン)のワンコーナー「Daiwa House SECRET NOTES」。6/17のオンエアでは、ピアニストの西村由紀江さんが「オーバーナイト・サクセス」をテーマに、指揮者・トスカニーニのデビューのエピソードを紹介しました。

フルトヴェングラーと共に20世紀前半を代表する名指揮者である、アルトゥーロ・トスカニーニ。指揮者としてのデビューは普通とは少しちがったようです。

音楽大学を卒業したばかりのトスカニーニは、イタリア歌劇団のブラジルのリオ・デ・ジャネイロ公演にチェリストとして参加しました。その公演では、地元のブラジル人指揮者とオーケストラが最初からうまくいかず、ケンカの末その指揮者が突然降りてしまったそう。観客たちが大騒ぎする中、合唱団員たちが推薦したのが19歳のトスカニーニでした。リハーサルの副指揮者も担当していたトスカニーニが、上演中のオペラ『アイーダ』を完璧に暗譜していることを合唱団員たちが知っていたのです。

若いチェリストがいきなり指揮台に上がったことも、さらにそのみごとな指揮者ぶりにも観客はとても驚き、翌日の地元紙で大きく報道されたそうです。トスカニーニはその後2ヶ月間の26公演で12作のオペラを全て暗譜して指揮者をつとめ、ブラジル皇帝からダイヤの指輪を贈られるほどの喝采をあびたのだとか。イタリア帰国後も、すぐに人気の指揮者となり、その後引退までの60年以上にわたり大活躍しました。

最初はチェリストとしてブラジルへ行き、“一夜にして(オーバーナイト)”いきなり人気指揮者になってイタリアに帰ったトスカニーニ。ブラジルでの出来事がなければ、世界最高のマエストロは誕生しなかったかもしれませんね。

【関連サイト】
「RENDEZ-VOUS」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/rendezvous/

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