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医者が井戸を掘り、学校・サッカーチームを作る背景

J-WAVE金曜の番組「-JK RADIO-TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「MACROMILL THE HIDDEN STORY」。11/15のオンエアでは、スーダンで活動する医師、川原尚行さんのHIDDEN STORYを紹介しました。

もともとは外務省の医務官としてアフリカに赴任していた川原さん。しかし、スーダンで活動していた2年半の間に日本からの援助がストップし、さらには欧米からの援助もストップ。この状況を何とかしたいと思い、川原さんは外務省を辞めてNGO団体「ロシナンテス」を立ち上げました。団体がスーダンで行った活動とは、どのようなものだったのでしょうか。

「最初に行ったのは、イブンシナ病院という日本が建てた病院のフォローです。いろんなお医者さんを日本から呼んだり、私が行ったりして医療支援を行いました。もうひとつは、地方の医療支援です。診療所を2つ構えて、地域医療を行いました。それにプラスして母子保健として、お母さんと子どもの命を守るための医療支援を行ってきました」(川原さん)

そんな川原さんにとって、医療とは必ずしも病院で行われるものばかりではないようです。自身の考えについて次のように話します。

「たとえば下痢の患者さんが来た場合、薬を出すと治りますけど、家に帰るとまた下痢をして戻ってきてしまう。そこには根本的に『水が汚いから』という原因があるんですね。そうすると『じゃあ、水をきちんとしなくちゃいけないな』と。きれいな水というのは、井戸を掘るのが一番なので、井戸掘りしよう、給水所を作ろう、ということになります。これも私にとっては医療になるんですね。また、地元の人が自立するためには、私たちの診療所が永遠にあると依存が生まれてしまう。地元の人が医療に携わってほしい、そのためには学校が必要だ、ということで学校もつくりました。そういうことも医療につながってくるんです。非常にワイドレンジに構えて、究極に言えば国が平和になることが一番の医療ですからね。そういうことを考えてやっています」(川原さん)
また、ロシナンテスでは現在、次のようなことをやりたいと考えているのだそうです。

「病院を建てたいと思っているんです。1985年に日本政府が建てた病院はあるんですが、日本の経済状態もあまり良くないですし、国に頼ってではなく、自分たちの手で建てたいなと思っていて。そこを機能させたいですね。医療をしっかりサポートして、国の安定を図る。医療が平和をもたらす、ということをやっていきたい。さらには南スーダンが分離独立しましたが、そこの人たちも診ることで外交の役割も果たしていきたいですね。そういったことを日本が支援しているとなると、日本という国の存在意義がグッと出てくると思うんですよね」(川原さん)

さらに、川原さんはこんな大きな夢も持っていると言います。

「うちは子どもたちのサッカーチームを持っているんです。スポーツを通じて平和を、という思いも持っていて、ダルフールという戦乱のところにサッカーボールを持っていったこともあります。いずれはナショナルチームを強くして、ワールドカップに出られるような国にできればいいなと思っているんです。夢だけ、でっかいんですけどね(笑)」(川原さん)

医療、スポーツ、平和、幅広い目でみていくとあらゆることが繋がっていくんですね。ロシナンテスでは現在活動を支援してくれる会員も募集しているとのこと。サイトでその活動を見ると、何だか触発されてしまいそうですね。

【関連サイト】
「国際NGOロシナンテス」
http://www.rocinantes.org/index.html


「-JK RADIO-TOKYO UNITED」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/

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