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亀田誠治 作詞家・松本隆の魅力は「少年性」と語る

亀田誠治 作詞家・松本隆の魅力は「少年性」と語る

J-WAVE 平日(月~木)午後の番組「BEAT PLANET」のワンコーナー「BEHIND THE MELODY~FM KAMEDA」(ナビゲーター:亀田誠治)。
7月16日のオンエアでは、この日が誕生日の作詞家、松本隆さんの詩の魅力について取り上げました。

『木綿のハンカチーフ』『スニーカーぶる~す』『ルビーの指輪』『赤いスイートピー』『硝子の少年』……。
松本隆さんのことをご存じない方でも、その歌詞の世界に浸ったことは必ずあるのでは?
 歌謡曲と呼ばれるアイドル系のものもあれば、今のJ-POPにつながるアーティストにも歌詞を提供してきた松本さん。
特に80年代から90年代の勢いは驚異的です。
この時代、松本さんの書く歌詞が時代の景色を彩ったといっても過言ではありません。

なぜ、これほどまで心に残る歌詞が書けるのか?
まず、松本さんの仕事は丁寧です。
いわゆるスポーツ新聞の見出しのような、その場で威力はあっても長く残らないような薄っぺらな言葉は一言も使わないで、鮮やかな情景と細やかな心情を丁寧に織り込んでいきます。
そのため、松本さんの書く歌詞は、一度聴いたらグッと心をつかむ瞬発力と、一度聴いたら永遠に忘れない持続力の両方を兼ね備えているのです。

松本さんは、それまでの歌謡曲にあった、“惚れた、はれた”や“恨みます”のような、男女のドロドロしたウエットな物語性からの脱却を常に目指していました。
筒美京平さんや、ユーミンの曲と松本さんの歌詞で大ヒットがたくさん生まれたのも、この3人の目指している世界が同じ方向を向いていたからだと思います。
まさに音楽の力で、80年代にみんなが憧れるすてきな恋愛や生活を提案していったのです。
また、松田聖子さんの名曲『赤いスイートピー』に代表されるように、松本さんの作品からは切なさ、儚さ、どこか少年時代の風景を感じ取ることができます。
この少年性こそが松本マジックと言えるでしょう。
少年の目線を持ち続けているということは多感であるということ。
だからこそ、少女の気持ちにもなれるのです。誰しもが少年時代、そして少女時代があったはず。
どんな人も自分が体験した時期、それを松本さんは、時代を特定しないで、普遍的、つまり20年後に聴いても違和感のない言葉で鮮やかに描写しているのです。

永遠の少年性、それは人を優しい気持ちにさせ、そして未来につながっていく大きな愛ではないでしょうか。
それが大衆音楽に乗って、多くの人の心に刻み込まれていくのですね。
今一度、松本さんの曲を聴き返し、少年少女時代に思いを馳せてみてはいかがでしょうか。

【関連サイト】
「BEHIND THE MELODY~FM KAMEDA」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/blog/fmkameda/

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