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クラブ営業「ダンス」の次は「照度」 風営法改正案の問題点

クラブ営業「ダンス」の次は「照度」 風営法改正案の問題点

J-WAVEの平日(月~金)夜の番組「JAM THE WORLD」 (月曜ナビゲーター:
野中英紀)のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。 10月13日のオンエアでは、クラブと風営法の問題の第一人者で、 最前線で法改正に向け取り組んできた弁護士の齋藤貴弘さんが登場しました。

9月10日、警察庁の有識者会議がダンスの風営法規制見直しを 提言する報告書を
まとめ、現在行われている臨時国会中にも風営法改正案が提出される見通しになりました。 しかし、この改正案、齋藤さんによれば、問題がかなり多いようなのです。

まずは現在の風営法について、齋藤さんにおさらいしてもらいました。

「客にダンスをさせる営業は“風俗営業”として、厳しい規制下に置かれてきました。 1943年にできた法律が、ずっと変わらないまま、風俗営業としてダンスを規制し続けています。 営業をするためには、警察の許可を取らなくてはいけないのですが、 非常に厳しいルールが定められていて、ほぼ取ることができないとされています」(齋藤さん)

仮に許可を取れたとしても、営業時間は深夜0時(最大でも深夜1時)以降は
不可能で、 ナイトクラブを日本で営業することは、法的に難しいと言われてきました。 現在、営業している多くのクラブは、法的にグレーゾーンの中で営業しているというわけです。

そんな中、クラブは音楽やダンスパフォーマンスなど、 文化の発信地であり、
この規制によって文化が衰退してしまうという声も高まっており、 法改正の動きが加速してきたことで、 今回は風営法から「ダンス」という文言を削除することになったそう。

そこで、ダンスに代わる規制基準として「照度(明るさ)」が10ルクス以上あれば、 深夜の営業も可能になるという規制案が提出されましたが、 これは上映をしていない(照明がついた状態の)ときの映画館の明るさくらい。 これでは、VJなどの映像表現やレーザー光線など、 クラブ文化の演出をすることはできません。 「10ルクス以上で営業しているクラブは、海外を見ても、ほぼ無いと思いますね」と齋藤さん。 今までの10ルクス以下のクラブは低照度飲食店という、 一昔前の「カップル喫茶」「同伴喫茶」といった 性風俗に近いくくりの規制がかかってしまうそうです。

そのほか、現在だと客室スペースが66平米以上ないといけないという規制もあり、 こちらも面白いカルチャーを発信し続ける「小箱」を守るため、 面積の規制も引き下げていこうと検討しているそうです。

「クラブというのは、面白い人たちが集まっていて、 ローカルな情報を手に入れることができ、良い音楽を聴くことができるという、 その都市の文化度を図るバロメーターになるくらいなんですが、 そこを性風俗に近い営業として規制をしていくとなると、 日本として非常に恥ずかしいことだと思いますね」(齋藤さん)

昨今の中学校のダンス必修化、2020年の東京オリンピック開催など、 日本が世界
基準で変化していく中、クラブ文化と規制の今後の展開に注目です。

【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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