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普段意識しないからこそ価値がある“土木”の魅力

普段意識しないからこそ価値がある“土木”の魅力

J-WAVEの日曜深夜0時からの番組「GROWING REED」(ナビゲーター:岡田准一)。6月26日のオンエアでは、土木科出身の建築家で、都市再生戦略やまちづくりのディレクションまで幅広く手がける西村浩さんをゲストに迎え、現在開催中の「土木展」についてお話をうかがいました。

*  *  *

岡田:世の中、ほとんど土木ですよね? ビルもそうなのかな?

西村:建築って、皆が分かりますよね? ビルとか家とかなんですけど。それ以外の地べたを見てもらうとほぼ全部、土木なんですよね。土木の上に建物が建っているんですね。土木の上で農業をしていたり。地べたの上がみんな土木で成り立っているということを、おそらく皆さん、ほぼ意識されたことがないですよね。

岡田:これを知ってもらおう、っていう?

西村:そうです。「ありがたいぞっ」っていう。工事のクレームだけじゃないぞ(笑)。

岡田:「ありがたいぞっ」と(笑)。

土木を広く認知してもらおうというこの試みですが、西村さんはディレクターの依頼を受けただけとのこと。元々は21_21 DESIGN SIGHTの3人のデザイナーの発案なのだとか。3人の「土木やろうぜ!」という悪ノリからはじまった企画なのだそうです!

また、西村さんの見解では、今回の「土木展」は2020年の東京オリンピックとタイミングが重なります。1964年の東京オリンピックは、高度経済成長期に開催され、国際社会に出て行く機運により、いろいろなインフラが整備されました。しかし、今回のオリンピックでは環境が真逆になります。人口が減っている社会環境で、土木のあり方も全く変わってくるそうです。

西村:時代はものすごく変わっていて、その中で土木っていう切り口で社会を見てみるのはおそらく、自分たちの暮らしがどうあるべきか、考えるいいチャンスだと。でもさっき言ったみたいに、誰も土木の上で生きていると思っていないですから。

岡田:実感が…ないですよね。

西村:みんな、普通にトイレ行ったりすると思うんですけど。トイレが何で成り立っているかというと、下水道で成り立っているわけですよ。下水道があるからみんなトイレに行けるわけですよね。そういうことを意識されないのが、実は土木なんです。

岡田:縁の下の力持ちですよね。

西村:そう! 何と言っても日常だからですよね。日常ってのは意識されないことの方が、価値なんですよね。毎日、日常を意識させられたら、毎日圧迫感ありすぎて辛いと思うんです。いちいちトイレに行って手を合わせて感謝しなきゃならないっていったら、辛いですよね(笑)。

今回の「土木展」では「つなぐ、ながす、ほる、ためる」というキーワードが重要になっています。これは子どもたちにも分かるように、一見複雑な土木の世界を噛み砕いて、分かりやすく分解したものなのだとか。これ以外にも、ささえる、つむといったさまざまなキーワードがあり、作品ごとに体験と参加ができるそうです。

最後に「これからの幸せとは?」という岡田からの突然の質問に、西村さんが答えてくださいました。

西村:これからは、自分のために時間を使って、その自分のために使った結果が子どものためとか家族のためとか、結果的には国のためになる、そうした自分の暮らし方って何なのだろう?というふうに逆の流れから考えてもいいじゃないかなと思っていて、それが次の時代の新しい幸せなんじゃないかなと思いますね。

過去を学び、今を知り、未来を考える「土木展」は現在六本木ミッドタウンで開催中です(9月25日まで)。岡田も「絶対に行きます」と西村さんに約束していました!

【関連サイト】
「GROWING REED」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/growingreed/

大野雄二「かっこいいは我慢」に岡田准一も惚れ惚れ(2016年05月30日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1675.html

照明デザイナーの面出薫 僕らは“光の過食症”(2016年05月16日)
https://www.j-wave.co.jp/blog/news/2016/05/post-1588.html

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