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いとうせいこう×ダースレイダー「テロップ」に疑問

いとうせいこう×ダースレイダー「テロップ」に疑問

J-WAVE土曜21時からの番組「THE MUSIC SPECIAL」(ナビゲーター:サッシャ)。8月20日のオンエアでは、日本語ラップのパイオニア、いとうせいこうさんと、ラッパーのダースレイダーさんをお招きし、今のフリースタイルムーブメントや日本語ラップについて対談していただきました!

日本で初めて日本語ラップのアルバムを制作し、その後の日本語ラップを見守ってきたいとうさんは、現在大人気のラップバトル番組「フリースタイルダンジョン」が流行った理由について、「ラップにテロップを出したからではないか?」と分析しました。韻を踏むために日本語の文法を崩すことの多いラップの世界では、慣れていない人には聞き取りにくい場合もあります。

一方で、ダースレイダーさんは、テロップを出すことにより「行間どころか行自体も読んでない」状況が生まれているのではないか? と指摘します。リズムに肉声を乗せるラップを聞き取るためには、ある程度、脳が慣れていく必要があるにもかかわらず、テロップを出すことでラップを聞くのに必要なスキルが後退する可能性があるとのことです。

その点に関しては、いとうさんも同じ意見を持っていたようで、意外な提案も飛び出しました。

「本当は、テロップが出ないラジオでフリースタイルをやるべきだよね。本当に聞き取れているのか、おもしろいことを言っているのかどうかがわかる。さらにラジオだからこそ、より先鋭的になり、ひょっとしたらリズムに乗らないやつも出てくるかもしれない。別に朗読でも構わないってことになってくると思う。

それはつまり、相手のディベートがどれだけおもしろいかってことを、音楽的なものに関わりながら楽しむっていう文化が実はすでにあるんだけど、今はテロップにごまかされている。日本人がどこに刺激されて、フリースタイルブームになっているのか、ちゃんとはまだ伝わってないと思う」(いとうさん)

確かに、ラジオであればラップを聞く耳が育つかもしれませんね。

ちなみに、ダースレイダーさんによると、ラップに必要なのはボキャブラリー。言葉を多く知っていることが、人を飽きさせないラップには必要不可欠だそうです。さらに、人と違うラップを生み出すためには「本をいっぱい読んだり、いろんな人と話したり、いろんな場所に行く」など、経験値を増やすことがラップを上達させるコツ、とも。

プレイヤーもファンもその数を増やし続けているラップシーン。これからどんな成長を見せるのか楽しみですね。

お話は次回8月27日(土)まで続きます。いとうせいこうさんとダースレイダーさんの対談の後半、2人は今の日本のフリースタイルシーンの何がおもしろいと感じているのか? 教育や政治にフリースタイルが必要? などなど、盛りだくさんの内容でお届けする予定です! 「THE MUSIC SPECIAL」の最終回でもある27日21時を、Check it out!!

【関連サイト】
8月20日に放送した対談・前半をYouTubeで期間限定公開中!
前半
後半

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