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元邸宅で「快楽」を体験できる写真展

元邸宅で「快楽」を体験できる写真展

J-WAVE土曜朝8時の番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐・山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。9月3日のオンエアでは、品川区御殿山にある「原美術館」と篠山紀信展「快楽の館」を紹介しました。

もともと実業家の邸宅として建てられ、その後、美術館として37年もの間、多くの人に愛されてきた原美術館ですが、その秘密は“美術館としての空間そのものにおもしろさがある”ようです。その詳しいお話を同美術館の学芸員、安田篤生さんにお聞きしました。

「今こういう建物は非常に数少なくなっているので、当時の西洋、近代建築のデザインの影響を受けたという意味では、建築士の観点から見ても貴重な例だと思います」(安田さん、以下同)

建物全体は、中庭を囲むようにゆるいカーブを描いたユニークな形をしているため、美術館として使うには使いづらいところもあるそうなのですが、それが逆に他にはない魅力となっています。

そんな原美術館では9月3日(土)より、篠山紀信展「快楽の館」がスタートしました。これまで杉本博司、荒木経惟、蜷川実花など、さまざまな写真家による展覧会が開かれてきた原美術館。今回の篠山紀信展では、とても珍しい試みがあるそうです。

「今までも、『展覧会をやるために新作を作って発表していただく』ということは珍しくないんですが、今回は篠山さんのアイデアで、単純に新作というだけではなくて、展覧会場になる空間で写真を全部撮ってしまうという、今まであるようで意外に例のないユニークな試みをしたというのが最大の特徴です」

原美術館の美しさと、主に女性の美しさを合わせた、その名も「快楽の館」というこの展覧会。さらにおもしろいのは、撮り下ろした場所にその写真が展示されているところ。つまり、“自分も写真と同じ空間に立って、その写真を見る”というスタイルなのです。

この展覧会の舞台裏、そして見どころを安田さんにお聞きしました。

「30数名のモデルさんがここに来てですね、ヌードの写真を篠山さんが撮られたわけですけど、けっこう速く撮られるんです。そこがすごくお上手だなぁと感じました。

単に人を撮るだけではなく、“ここで撮る”ということに、最初から篠山さんはこだわっていました。つまり人と場所、それらが全部一つになってイメージの世界を作り上げる。その結果、美術館が展覧会のタイトルにあるような、篠山さんが呼ぶところの『快楽の館』に変わるんです」

モデルはほとんど女性なのですが、中に一人だけ男性のモデルがいます。新日本プロレスのプロレスラー、オカダ・カズチカさん。篠山さんによると、「バレエダンサーのような“魅せるための体”ではなく、“戦う男の体”を撮りたくてオカダさんを選んだ」とのこと。

「篠山さんがよくおっしゃってらしたのが、『建物自体に色気がある』と。その色気を写真の中でより具体的に表現するために、ヌードという主題を選ばれたのかなという気がします」

さまざまな「快楽」を垣間見ることができる原美術館の篠山紀信展「快楽の館」は、来年1月9日まで開催しているので、ぜひ足を運んでみてください。あなたの中に眠る新しい「快楽」を発見できるかも…!?

【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

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