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音楽のプロはパソコンをどこまで使いこなすのか

音楽のプロはパソコンをどこまで使いこなすのか

J-WAVE月曜-木曜朝11時30分からの番組「BEAT PLANET」のワンコーナー「BEHIND THE MELODY~FM KAMEDA」(ナビゲーター:亀田誠治)。9月28日(水)のオンエアでは、「どこまでパソコン使いますか?」をテーマにお届けしました。

作曲、アレンジ、レコーディング、ミックス…全ての行程を行うことが可能となっている今のパソコン環境。今やアーティストにとっても欠かせないパソコンを、アーティストの皆さんはどんなふうに使っているのでしょうか?

実際に3組のアーティストに聞いてみました! まずは亀田が「この方、パソコン使いこなしてる感じありますね」と紹介したのが、ラップシンガーのDAOKOさん。

DAOKOさんは歌詞を書く時はiPhoneのメモアプリに記録し、その言葉を「テキストエディット」というソフトで膨らませて制作するそう。そして仮録音のデモを作る時にMac付属の「ガレージバンド」、その後の編集などの作業は「Cubase」というソフトを使っているのだとか。

この「ガレージバンド」から「Cubase」という流れは、亀田いわく「若い世代の鉄板D.A.W(デジタル・オーディオ・ワークステーション)」なのだそう。そして続いては亀田と同じベーシスト、OKAMOTO'Sのハマ・オカモトさんに伺いました。

OKAMOTO'Sは、バンドのなかで楽曲制作するメンバーから、ある程度は音楽ソフトを使ったデモが届くことが多いそうですが、「スタジオに入って『せーの』で叩くと、その日の気分であったり、それまでに仕入れたネタで、デモとかけ離れた演奏をすることがあるので、あまりガチガチにソフトを使ってデモを作ることは、うちのバンドはありません」とのこと。

しかしハマさん、「そういう技術を身につけないと今後やっていけないのかなと不安があります。亀田さんもバシバシ使われていたので、今度、使い方を教えてください」と亀田にメッセージを送っていました(笑)。

「パソコン講座、僕と一緒にやりますか(笑)?」と答える亀田でしたが、最後に登場した3組目、GLIM SPANKYはどうでしょうか? ギターボーカルの松尾レミさんとギターの亀本寛貴さんがそろって答えてくれました。

作詞作曲をほぼ担当する松尾さんはパソコンをまったく使わないそうで、ノートと鉛筆とアコギと録音するものがあれば何でも良いそうです!

「機械はほぼ使いません」と、パソコンを“機械”と呼ぶほどのアナログっぷり(笑)。しかし「最後にパソコンの文字で第三者的な視点で見て、ジャッジを下す感じですね」と、チェックするために用いているそう。

そうしてできた曲を、ギターの亀本さんにアレンジのため渡すそうですが、亀本さんにはパソコンが必須らしく、「ドラムを全部打ち込んで、ベースとギターを自分で弾いて作業するって感じです」と亀本さん。しかし「基本的には曲が生まれるその時は、ノートと鉛筆と録音できる何かがあればOKって感じです!」と答えていた松尾さんでした。

そしてここからは、亀田が“楽曲制作におけるアーティストとパソコンの関係”について教えてくれました。

亀田にとってパソコンは、「ズバリ共同制作者。創作のパートナー」とのこと。しかしパソコンを使うといっても、それはツール(道具)として使っているという意味で、「クリエイティブなアイディアや閃きは自分の中から生まれてくるもの。それをパソコンに記録することによって客観的に見ていく。もしくは色んなものを積み重ねていって、さらに新しいアイディアが生まれてくるということ」と自らの考えを明かす亀田。そして、アナログなツールと違い、編集作業が簡単にできるためコントロールできる範囲が飛躍的に広がるそうです。

しかし、それゆえの注意点もあるそうで…

「何よりも音楽は人間が奏でるものですから揺らぎがあって当然なんです。そこをあまりにも編集で直しすぎるのも考えものだと思います」(亀田、以下同)

一方で、「パソコンで作り上げる音楽が、実はそれを聴いた人たちの潜在能力を引き上げることもあると思います」という考えも発言。例えば、編集で“上手に作り上げられた歌”を聴いて育った世代は、音程もリズムも“機械”のように正確に歌うことができるのだそう。

「ボーカロイドを聴きながら育った世代は、ボカロのように歌える人も生まれてくるかもしれませんよ」

【関連サイト】
「BEHIND THE MELODY~FM KAMEDA」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/blog/fmkameda/

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