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池尻大橋の銭湯、90年の文化を“背水の陣”で守る

池尻大橋の銭湯、90年の文化を“背水の陣”で守る

タイムフリー

J-WAVEで放送中の「~JK RADIO~TOKYO UNITED」(ナビゲーター:ジョン・カビラ)のワンコーナー「antenna* THE HIDDEN STORY ~CURATING@NOW~」。3月3日(金)のオンエアでは、スタイリッシュにリニューアルした銭湯「文化浴泉」の3代目、米津幸司さんにお話を伺いました。

東急田園都市線・池尻大橋駅そばにある「文化浴泉」。脱衣場から戸を開けて中にはいると、銭湯という言葉からイメージしていたものとは全く違う、落ち着いたブラウンの床、お湯がライトアップされた浴槽。壁にかけられた赤い富士山の絵にも照明が当てられ、ほのかに暗い空間がリラックスしたムードを作り上げています。

創業は昭和3年、かつて「文化湯」という名で親しまれた銭湯を、米津さんは20年前に継ぎましたが、一度はお店を閉めることも考えたそうです。

「5年目、10年目は、お客さまが1日100人もなかったんですよ。池尻大橋というこの場所で、これだけの土地を使っていて、土地の有効利用もできていませんし…これは逆にやめちゃって、例えばここを倉庫とか保育園とかに貸しちゃったほうがいいかなとも考えたんです。でもその前に『ちょっと待て』と。昭和3年から先祖代々やってきたので、もう一回だけとりあえずやってみて、ダメだったら仕方ないねと」(米津さん、以下同)

もう一度だけ…と考えた米津さんの「背水の陣」に、銭湯専門の一級建築士、今井健太郎さんが力を貸してくれました。今井さんは「残すところは残そう、ダメなところは壊そう」と全体の7割を壊し、和的な要素の残りの3割は残し、「ロビーは和とアジアンテイストっぽいコラボ」を提案。ロビーを広くして滞在時間を長くしてもらおうと、単なる「体を洗うだけの銭湯」を「460円の入浴料でのおもてなし」という発想に転換しました。

脱衣所のロッカーを可動式に変更したことで、移動させれば大きなイベントスペースとして使えるアイデアが生まれ、落語のイベントやアカペラのライブなど、米津さんも予想しなかった話が舞い込むようになったそうです。

一時は廃業も考えた銭湯が、リニューアルを経て完全に軌道に乗りました。米津さんによれば、都内の銭湯はすでに600店を切り、月に3~4軒のペースで廃業しているそう。そんな中、米津さんは「この店がモデル店鋪になって、少しでも歯止めになればいいなと思っています。銭湯は収益性は高くないですが、昔からの日本の文化ですし、人との触れ合いとか、そういうのをなくしちゃマズイじゃないですか。お金に変えられない部分がありますので」と語りました。

仕事の哲学は「感謝の一言。私は一生懸命ただ掃除しているだけなので。少しでも気持ち良く入ってもらいたい。たかが風呂掃除、されど風呂掃除」という米津さん。来年で90周年を迎える「文化浴泉」は、今日も午後15時半から深夜25時まで、銭湯文化を守りながら営業を続けていきます。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「~JK RADIO~TOKYO UNITED」
放送日時:毎週金曜 6時ー11時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tokyounited/

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