音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
日本では棒立ち…シリアの若者が踊り狂う音楽とは?

日本では棒立ち…シリアの若者が踊り狂う音楽とは?

タイムフリー

J-WAVEで放送中の番組「ORIENTAL MUSIC SHOW」(ナビゲーター:サラーム海上)。3月17日(金)のオンエアでは、アラブやトルコの最新音楽を特集しました!

最初は、以前の中東ディーヴァ特集でも紹介した、パリ在住のレバノン人女性歌手ヤスミン・ハムダンの3年半ぶりの新作から、タイトルトラックにもなっている「Al Jamilat」。モロッコの黒人音楽グワナを思わせる三連のリズムに、サイケデリックなギターのドローン音が加わる曲です。ギターはパキスタン系アメリカ人のマルチ楽器奏者シャハザード・イスマイリーが弾いています。

この曲の歌詞は、パレスチナの抵抗詩人マフムード・ ダルウィーシュの詩をもとにしていて「美しいものたちは美しい/“腰回りに入れたバイオリンの刺青”のように/美しいものたちとは王女たち/“発覚が不安な愛人たち”のような」と男性と女性の視点が交互に歌詞に登場します。

アラブやインドでは昔の詩を新しく発展させる、俳句や短歌でいう本歌取りが伝統的に文化として残っていて、ヤスミン・ハムダンは前作でもこのように昔の詩を取り入れて自分の歌詞にしていました。

次に、シリアのリザン・サイードの「Cosmopolitan Hacha」。シリアといえば民謡ダブケをテクノ化したオマール・スレイマンが有名ですが、そのバックで打ち込みのパーカッションの上で機関銃のようにキーボードを演奏する一人アラブ・オーケストラ。この曲は、彼の2015年のアルバム「KING OF KEYBOARD」に収録されています。

リザン・サイードは、シンセサイザーがシリアに広まった1980年代からキーボードを弾き、カセットアルバムをリリースしてきたベテランです。90年代以降はオマール・スレイマンと出会い、それまで太鼓と笛で演奏されていた民謡ダブケを、キーボードとドラムマシンに置き換え、演奏スタイルを確立しました。昨年、相対性理論との日本公演でオマール・スレイマンとともに来日しましたが サラームによると、そのときのオーディエンスの反応は棒立ちだったとか。でも本国ではダブケといえば、村や街の集会所に若者が集まって踊りまくるダンス音楽なのだそうです。

オンエアではそのほか、イスラエルの旧約聖書をテーマにしたプログレッシブメタル・バンド、アマセフェルの「Slaves For Life」や、トルコ・イスタンブールのインディバンド、ヘドヌートピアの「Eridin Amma」などを紹介しました。ちなみにヘドヌートピアというバンド名は、ジョン・レノンとオノ・ヨーコが1970年代に建国した架空の国の名前から取ったそうです。

今回も、ワールドワイドに活躍するヤスミン・ハムダンの最先端サウンドから、エレクトロなダンス音楽、メタル、インディ・ロックまでさまざまな音楽をお送りしました! 豊かで幅広いアラブ地域の最新音楽を存分に楽しめた30分となりました。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:「ORIENTAL MUSIC SHOW」
放送日時:毎週金曜 26時-26時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/dc3/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン