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坂本龍一「戦メリを10年弾かなかったことを反省した」

坂本龍一「戦メリを10年弾かなかったことを反省した」

タイムフリー

J-WAVEで2ヵ月に1度、第一日曜にお送りしている番組「RADIO SAKAMOTO」(ナビゲーター:坂本龍一)。5月7日(日)のオンエアでは、坂本に縁のある3組のゲストとの対談を中心にお送りしました。

その中から、先日開催された「d SCHOOL わかりやすい音楽」に坂本がゲストに登壇し、D&DEPARTMENT PROJECT代表ナガオカ・ケンメイさんと行ったトークセッションの模様を紹介します。

ナガオカ:今日は教授をゲストにお呼びして、「音楽って何?」という質問を後でしますので。
坂本:そんな難しいことを…僕も知りたいんですけど…(笑)。
ナガオカ:僕はYMOの時代の坂本龍一のまんまで、でも音楽家だから、ちゃんとカッコイイこともしないといけないし…ということだと思ってるんですけど。
坂本:全くないです。あの頃からのファンの方は非常に保守的で、「あのままでいて欲しい」という方も多いと思うんです。
ナガオカさん:大丈夫ですか!? すごい敵に回す言い方で(笑)。
坂本:いいんです、慣れてますから(笑)。それにファンというのはそういうものですよ。僕も告白しなければいけないんだけど、数年前にジェームス・テイラーとキャロル・キングが日本に来たので武道館に観に行ったんです。だけど「You've Got A Friend」なんかやらないわけですよ。「長いなあ、なかなかやらないなあ、知らない曲ばっかりだなあ」って。それでアンコールの1曲目にやっと歌ってくれたんですよ。「ああ、よかった」ってすぐ帰りましたけど(笑)。

そしてここから、「あの名曲」に関する話に…。

坂本:僕も長い間、あんまりにも「戦メリ、戦メリ」って言われるので「戦場のメリークリスマス」を10年くらい弾かない時期もあったんですよ。「もうやだ。飽きた」と(笑)。他に何百曲も作ってるのに、どこ行ったって「戦メリ」でしょ? 反抗して弾かなかった時期もあるんですけど、これもまた反省しましたね。「自分も同じじゃないか。ジェームス・テイラーの『You've Got A Friend』を聴きたいだろう」と、深く反省して。それからは「戦メリ」は必ず弾くようになりました(笑)。

さらにナガオカさんから、「何で音楽が必要なんでしょう?」との質問が出されると…

坂本:わかりません(笑)。
ナガオカ:(笑)。
坂本:なぜ音楽が必要なのか…答えはないけれど、僕らが言葉が必要なように、音楽というのは最初から人類にあるんですよ。だと僕は思います。そして、何が作りたいんだろうと考えたら、それは自分が耳にしたいものを作りたいんですよ。当たり前の話ですけど…でも人によっては違うかな。それで思いだした、僕は本当にショックなことがあって。
僕の最初のソロアルバムができたときに、喜び勇んで、毎日のように行っていた飲み屋のようなところに行って、その生まれて初めてのソロアルバムを「今できたばかりだよ。お店でかけてよ」って持っていったんですよ。そしたら仲良かった店員がしばらく聴いてて「坂本さん、これじゃモテないっすよ」って。「どういう意味?」って聞くと「これじゃ、女の子にモテないですね」って…。ショックでね。モテるために音楽を作ってる奴がいるのか! って。
ナガオカ:まあ、分からんでもないですね。そういう人いますから。

オンエアでは他にも、雑誌「GQ JAPAN」編集長の鈴木正文さん、映画評論家の樋口泰人さんとの対談の模様もお送りしました。鈴木さんとは、坂本のアルバムタイトル「async」から広がった車や音に関する話題、そして樋口さんとはアンドレイ・タルコフスキー監督最新作上映会での「タルコフスキー対談」と、共に興味深いトークが展開されました。

※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聞き直せます。

【番組情報】
番組名:「RADIO SAKAMOTO」
放送日時:隔月第1日曜 24時-26時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radiosakamoto/

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