音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
誰もが文字を読める世界を! 文字を音に変換するメガネ「OTON GLASS」の技術に注目

誰もが文字を読める世界を! 文字を音に変換するメガネ「OTON GLASS」の技術に注目

J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」。4月11日(水)のオンエアでは、AIを搭載したメガネ「OTON GLASS(オトングラス)」に注目。株式会社OTON GLASS最高技術責任者・淺野義弘さんにお話を訊きました。


■「OTON GLASS」の「オトン」とは?

「OTON GLASS」は、原稿や街中の看板などを読み取って、音に変換してくれるAIとカメラを搭載したメガネです。別所が実際に体験すると、原稿を読み取り、短期間でほぼ正確になめらかに読み上げました。オンエアでは、浅野さんにこのメガネの仕組みを伺いました。

淺野:眉間のところに小さめのカメラが入っていて、ボタンを押すと写真撮影します。弊社の代表が大学時代に卒業制作として作ったのがはじまりで、足かけ3~4年くらいかかってこの状態になっています。

淺野:代表のお父さんが交通事故にあって、それで脳の言語をつかさどる部分に障がいが残りました。視力では読めるのですが、文字を読もうとすると上手く意味がつながらない失読症という障がいで、それをどうやったら助けられるかインタビューをした結果、書いてある文字を人に伝えてもらうことができるとわかりました。形を考えた結果、メガネがいいんじゃないかと。「OTON GLASS」の「オトン」はお父さんの「オトン」で、「オトンのために音を伝える」というダブルミーニングとなっています。


■街中に溢れる文字たち

現在も開発中の「OTON GLASS」は、社会での実証実験も進んでいます。実験で見えてきたものについて伺いました。

淺野:メガネ型で簡単に持ち運びしやすいところで、よいコメントをいただいています。一度、社会実験として、横浜の街で「OTON GLASS」をかけて歩いてみようというのをやったんですが、飲食店のメニューとか、街中の看板、時刻表とか、文字で得られる情報って想像以上にあるんだな、ということに気づきまして。そのような情報を取得するためにメガネという形状がフィットすることがハッキリわかりました。

では、AIはどのような部分に活用されているのでしょうか。

淺野:AIはメガネが撮影した写真を、クラウド上にアップロードして、Googleの画像解析のAPIという仕組みがあり、そこで画像の中にどのような文字が含まれているのか、認識させています。限界はあると思いますが、今は文字情報が生活の中で有用だろうということでやっています。「私は人の感情をみるのが苦手だ」という人に対して、人の気持がわかるような仕組みに変換して「気持ちがわかるメガネ」を作って、協力してくれるユーザーもいて。幅は広がっていくんだろうなと思います。

オンエアでは、実装された翻訳機能も試しました。こちらは、日本語の原稿を画像認識し、オープンソースを利用して英語に翻訳するという仕組みです。

淺野:技術として優秀なオープンソースが集まっていますが、本当に必要な人に届いているかというと、そうとも言い切れない部分もあります。この場合は「文字を読みたい人に届ける」という部分を、誰かが担わないといけない。そこを我々OTON GLASSが会社としてやっていく部分かなと思い、活動しています。


■誰もが文字を読める世界

「OTON GLASS」が社会に与える影響について、浅野さんは以下のように語りました。

淺野:文字が見えない人のために開発したものを使ってもらうと、目が見えない人にも使いたいし、海外旅行をする人にも。自分が行ったことのない国で文字が読めないということがあったり、「文字が読めない」という症状でも、いろいろなパターンがあると思います。それらを問わず、誰もが文字を読める世界を実現したいというのが私たちのビジョンになっています。

「OTON GLASS」は現在、クラウドファンディング「CAMPFIRE」で支援を受け付けています。国の補助を受けて視覚障がい者に届けるため、増産して当事者に試してもらう必要があります。ぜひ「CAMPFIRE」のページをご確認ください。

今週4月16日(月)からのスペシャルウィーク「ZOJIRUSHI MORNING INSIGHT」のコーナーでは、東京×最新テクノロジー「東京ライフテック」をテーマにお送りします。「AI医師」や「AI空席予約サービス」など、ライフテックの未来と東京の姿を予想します。お楽しみに!

【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/tmr/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン