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フェンシング・太田雄貴「五輪で初メダリストになるのは僕だ」…練習を重ねた少年時代を振り返る 

フェンシング・太田雄貴「五輪で初メダリストになるのは僕だ」…練習を重ねた少年時代を振り返る 

J-WAVEの番組『SEIKO SOUND STORAGE』。ミュージシャンやスポーツ選手など、各界で活躍するゲストがマンスリーで登場します。5月のマンスリーゲストは、公益社団法人 日本フェンシング協会会長・太田雄貴さんが登場しました。

太田さんは、2008年北京オリンピックで、フェンシング男子フルーレ個人で銀メダルを獲得し、日本フェンシング初のメダリストに。また、2012年のロンドンオリンピックでは、男子フルーレ団体銀メダルを獲得するなど、日本フェンシング界の歴史を変えました。5月4日(金)のオンエアでは、フェンシングとの出会いや思い出の音楽体験について語りました。


■1日も休まずフェンシングを練習した少年時代

太田:父親の勧めでフェンシングを始めたんです。もともと始めるつもりはなかったんですけど、「スーパーファミコン買ってやるから」と言われて、それで「始めます」と。ちょうど小学校3年生の5月5日、子どもの日でした。中学校は京都の平安中学という、野球の強い学校に行ったんです。野球は花形だけど、フェンシングは体育館の隅で、「これはオリンピックでメダルを取らなければダメだ」と思ったことを覚えています。

太田さんの兄と姉もフェンシングをしていましたが、すぐにやめてしまったそう。最後に残った太田さんは、父から優しくフェンシングの楽しさを教わりました。また、こんなことも言われたそうです。

太田:「継続は力なり」と。優しいけれど、毎日の練習は必ずするよう言われました。小学3年生から4300日間、1日も練習を休まなかったですね。土日は東京か合宿で、平日は父親が僕と練習しているので、姉や兄はつまらないというか、みなさんもお子さんが複数いると出てくる問題だと思うんですけど。ただ太田家には「雄貴をオリンピックに行かすぞ」という大義があったので、そこで理解があったのかなと思います。


■初めて買ったCDは小沢健二!

太田:僕は、滋賀県大津市比叡平から京都府乙訓郡大山崎町まで練習に行っていたんですけど、だいたい行き帰りで2時間かかるんです。この間に父親とふたりきりのドライブになって、音楽がかかっていたんですね。練習前の緊張、練習後の開放感、練習と共に僕の側には音楽がありました。

転機となったのは、地方大会の小学校の部で初めて優勝したことでした。

太田:太田少年は勘違いして、「半年で小学3、4年生で敵なし。おそらく小学校6年~中学1年で全日本チャンピオンになれる」と、のめり込んでいくんです。このあたりから練習は“させられる”ものから、自分がするものに変わっていきました。

自主的な練習に目覚めた小学校4年生頃に、初めてCDを買ったのだとか。

太田:お姉ちゃんがCDを買うときに、僕もついていって「僕も買ってほしい」と言って、買ったCDが小沢健二さんの『痛快ウキウキ通り』。僕が初めて買ったCDなんですね。何でだったんですかね。小さい頃にラジオだったり、父親がかけている音楽を隣で聴いて、「これがほしい」というのがあってですね。僕は歌詞をあまり聴かないので、頭の「プラダの靴が欲しいの」って歌うけど、意味がわかっていませんでした。


■「最初のメダリストになるのは僕だ」

太田さんは父親について、「とにかく父親は僕に全身全霊で指導して愛してくれたと、今となっては強く思いますね。あれだけ働きながら、子ども3人の面倒を見て、僕にフェンシングを教えて、大変だったと思うんです」と振り返ります。太田さんとオリンピックの最初の接点も、父が、香川県にいたフェンシングのオリンピック日本代表選手・市ヶ谷廣輝さんに直接レッスンを申し込んだことでした。

太田:オリンピックってテレビで見るイメージだったんですけど、実際にオリンピック選手に触れた瞬間に、強烈な印象が残るんです。市ヶ谷さんと実際に試合をしたときに、人生で初めて“剣が見えない”という経験をしました。小学校5年生で「世界は遠い」と思い、市ヶ谷さんに素直に「オリンピックはどうだったのですか?」と訊いたら「1回戦負けだ。世界ランキングもそんなに高くない」とおっしゃったんですね。それを聞いて、「むこう10~15年、日本人がメダルを取ることはないな」と思ったんです。太田少年はポジティブなので「10年後、僕はきっとピークを迎えるから、最初のメダリストになるのは僕だ」と思ったんですね。

番組では、太田さんが「僕はオリンピックに出たいと思っていたから、海外の地名が入ってるだけでキャッチーだった」と解説したPUFFY『アジアの純真』など、思い出の曲をオンエアしました。

次回5月11日(金)も引き続き、太田雄貴さんにお話を伺います。全日本選手権で最年少優勝、インター杯三連覇と、「最も音楽との親和性があった」という時期が語られます、お楽しみに!

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【番組情報】
番組名:『SEIKO SOUND STORAGE』
放送日時:金曜 24時-24時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/soundstorage/

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