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おいしいワインと出会うためには? ワイン研究家が伝授

おいしいワインと出会うためには? ワイン研究家が伝授

J-WAVEで放送中の番組『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。8月25日(土)のオンエアでは、ワインスクールを主宰するワイン研究家・杉山明日香さんが登場。おいしいワインに出会う方法から、生徒にレクチャーする際に大切にしている“教えの極意”まで、幅広くお話を伺いました。


■ソムリエにも役立つ理系の知識

主宰するワインスクールからこれまで多くのソムリエを輩出し、西麻布とパリでレストランをプロデュースするなど、大活躍中の杉山さん。理論物理学博士で、有名進学予備校で数学も教えています。

杉山:よく「理系的なものとワインを同時にやれますね」というご質問をいただきます。ですが、気候だったり、地質だったり、細かい土壌だったり、実は理系的な要素の組み立てからワインを理解するっていう側面があるんですね。もちろん、味わいとか香りっていうのは官能的な部分なんですけど。なので、どちらもあったうえでの組み立てだと思っています。私自身、理論物理学の博士ですが、数学とかの学問の方向性と、ワインを学問的に勉強していく方向性っていうのは、自分の中ではそんなに差異がない、自然とやってきてたところがあります。


■イタリアワインは究極の食中酒

ワインについて楽しみながら知識を深められるという著書『ワインの授業』が大評判の杉山さん。第1弾となった『フランス編』に続き、今年6月には『イタリア編』が出版されました。杉山さんは、同著の中で紹介しているイタリアワインについて、“究極の食中酒”であると言います。

杉山:イタリアは全20州あり、その20州すべてでワインが作られています。ひとつひとつの州に、固有の品種、土着品種というんですが、特徴的な品種が多くあります。ですので、『イタリア編』は各州にフィーチャーして、みなさんで楽しく勉強していきましょう、というところから作りました。私は、イタリアワインは“究極の食中酒”だと思っていて、お料理と合わせてポテンシャルを発揮するなと、すごく感じています。イタリア料理は、北イタリア、南イタリア、シチリアを含めた南のほうで、全然違うんです。各州にそれぞれ郷土料理があり、その郷土料理とその州のワインが密接に合うようになっているという意味で、やっぱり“究極の食中酒”かなと思います。

そんな杉山さんに、今の時期にオススメのイタリアワインについても伺いました。

杉山:イタリアワインというと、赤ワインのイメージが強いと思います。たとえば、「キャンティ」と聞いたことがある方もいらっしゃると思うんですが、赤のなかでも発泡性の赤、スパークリングの赤ワインを作っているエミリア・ロマーニャ州があります。そこの「ランブルスコ」というのが地名でもあり、ぶどう品種名でもあるんですけど、発泡性の赤ワインと、郷土料理があるんです。「モルタレッダ」というソーセージで、なかに黒コショウの粒やピスタチオなどが入っています。日本だとスライスして売られてることが多いですが、それを角切りにしたものとの組み合わせが最高で、その州に行くとどこでもその組み合わせでみなさん楽しんでいます。


■おいしいワインと出会うためには?

次に、おいしいワインと出会うための方法についても伺いました。

杉山:何にでも共通して言えると思いますが、「自分が何を好きかを知る」ということが、おいしいワインと出会うときに一番大切だと思います。そのほかの趣味とかもそうですし、いろんなものと出会うときにも言えることだと思います。何が好きかを知るのって、実は難しいじゃないですか。ワインの場合だと、みなさん白が好きなのか、ロゼが好きなのか、赤が好きなのかぐらいはお持ちだと思います。そのあとに、どの品種が好きかなのかを見つけられると、すごく大きな一歩です。せっかくですので、どのぶどう品種が好きなのかを次に意識して飲んでいただきたいなと思います。たとえば白ワインの中でも辛口が好きなのか、ちょっと果実味が豊かで糖度が高めのものが好きなのかとか、赤ワインの場合だったら、軽やかで酸味があるのが好きなのか、タンニンっていう渋みがあってパワフルなワインが好きなのかっていうのは、2、3種類比べて、その性格の違いを知るだけでも、自分の好きなワインを頼みやすくなります。そこからワインの道に入っていけるかなと思います。


■「相手が何をわかってないか?」を知ることが一番大切

ワイン研究家としての活動に加え、ワインスクールや進学予備校で“教える”という役割も担っている杉山さん。そんな“教えのプロ”でもある杉山さんに、生徒さんの前に立つ際に大切にしていることについても訊きました。

杉山:教えるのが数学だろうが物理だろうがワインだろうが、「相手が何をわかってないか?」を私が知ることが一番大切です。何がわかってないかが見えると、理解する道筋っていうのをこちら側で立てられるので、それに沿って一緒に段階を踏みながら、「お互い理解していってるね」っていうのを確認しながらできます。私のなかでは、教えるための第1のポイントかなと思っています。だいたい表情でわかりますね。「この部分でわかんなくなったんだな」とか、熱心に聞いてくださる方はそこの表情ひとつで、「ここからつまづいたな」というのも見えてくるんですよ。逆に、あとで質問に来られた場合とかだと、一緒に紐解いていくときに、「この部分からわかってないな」っていうのが話しながら理解していける。生徒さんにとっても、「自分はどこがわからないかを知る」っていうことが大切で、「よくわからないけど、わからない」っていうことじゃなくて、「ここから私はわかってない」っていうことがわかると、みんな自分でそこからやっていけるんですよね。

杉山さんのわかりやすい解説が評判の著書『ワインの授業』。ワインについて興味を持っている方は、ぜひチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/

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