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オノ・ヨーコの作品に参加できる! 災害をテーマにした展覧会が森美術館で

オノ・ヨーコの作品に参加できる! 災害をテーマにした展覧会が森美術館で

J-WAVEで放送中の番組『GOOD NEIGHBORS』(ナビゲーター:クリス智子)のワンコーナー「MORI BUILDING TOKYO PASSPORT」。10月4日(木)のオンエアでは、六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展「カタストロフと美術のちから展」に注目しました。 オノ・ヨーコさんの作品に参加することができる同展覧会の見どころとは。


■「カタストロフ(大惨事)」をテーマに

森美術館のキュレーター・近藤健一さんに、本展覧会について訊きました。

近藤:「カタストロフ(大惨事)」と「現代美術」の関係を考察する展覧会です。このような暗い話題は、考えてもあまり楽しいものではないし、見たくない人もいると思います。私もできれば見たくないと思います。でも残念ながら、このような問題は、いつかどこかで起きてしまうものなので、私たちは何ができるか、どうやったら乗り越えられるかを考えるのは、今を生きるわれわれにとって意味があるものではないかと思い、企画しました。

森美術館は、2003年に幸せをテーマにした開館記念展「ハピネス:アートに見る幸福への鍵」を開催。2013年には10周年記念展「LOVE展:アートにみる愛のかたち」を開催し、人間の普遍的、根源的なものをテーマに取り上げてきました。

そして、15周年となる今年は、破壊的、悲劇的な災害がテーマとなる「カタストロフ」に注目し、社会において美術が果たす役割を問う内容になりました。国内外40組のアーティストが参加し、2部構成で開催。前半は地震などの天災から事故や戦争といった人災、個人的な悲劇を表現した作品を紹介しながら、美術が惨事をどのように描いてきたかに焦点をあてます。後半は悲劇から立ち上がるために美術ができることを考える内容になっています。


■来場者が書き込んでいく、オノ・ヨーコの作品

展示されている作品について、近藤さんに解説していただきました。

近藤:展覧会の冒頭には、スイスを代表するアーティストのトーマス・ヒルシュホーン(Thomas Hirschhorn)が、この展覧会のために制作した新作の巨大なインスタレーションが登場します。これは『崩落』というタイトルがついていて、お客さまが展示室に入ると、目の前に2階建て住宅が原寸大で現れます。その壁がなぜか崩れていまして、ゾっとする光景が広がっています。でも、よく見るとすぐにフェイクであることがわかる。そういった体感型インスタレーションです。展覧会の最後は、オノ・ヨーコさんの、難民問題の早期解決を訴えるインスタレーションがあり、真っ白い展示室のなかにボートが1台ポツンと置かれていまして、来場者のみなさんには思い思いのメッセージを書き残していただくことができます。このように展覧会の最後には復活とか復興、再生、問題の解決をテーマにした作品を集めました。いらっしゃってくださったみなさまには、明るい未来や希望を感じて会場をあとにしていただきたいと思っています。


■東日本大震災に関連した作品を展示

参加アーティスト40組のうち4分の1は、東日本大震災に関連した作品を展示。2011年以降、震災関連作品を数多く残しているアーティスト集団・Chim↑Pomは、「311」の1カ月後に福島の原発近くに行ったときの映像作品『REAL TIMES』などを展示しています。

また、「カタストロフと美術のちから展」は、今回30周年を迎えたJ-WAVEのイベント「TOKYO SOUND EXPERIENCE」とコラボレーションした特別展示を、10月5日(金)からスタート。オノ・ヨーコさんの『ウィッシュ・ツリー』を展示しており、平和や未来への願いを短冊に書いて、会場にある「ウィッシュ・ツリー」に結んでいくものです。

ウィッシュ・ツリー
オノ・ヨーコによる《ウィッシュ・ツリー》設営風景
1996/1997年
展示風景:「En Trance」Lonja del Pescado(スペイン、アリカンテ)1997年
撮影:Miguel Angel Valero
Courtesy:Generalitat Valenciana

『ウィッシュ・ツリー』はオノさんの代表作品で、1996年以来、世界中の美術館や文化施設で展示されています。集まった短冊は100万を越えており、オノさんが2007年に建設した「イマジン・ピース・タワー」に永久保存されるというプロジェクトです。「イマジン・ピース・タワー」は、アイスランドの首都・レイキャヴィークのヴィーズエイ島に建てられたモニュメントで、今回集まったものも保存されます。

『ウィッシュ・ツリー』は、10月5日(金)~8日(月・祝)まで、期間限定で「TOKYO SOUND EXPERIENCE」のメイン会場となる六本木ヒルズアリーナに登場します。

今回紹介した「カタストロフと美術のちから展」は、10月6日(土)~2019年1月20日(日)まで森美術館で開催されます。ぜひ足を運んでみてください。

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【番組情報】
番組名:『GOOD NEIGHBORS』
放送日時:月・火・水・木曜 13時-16時30分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/neighbors/

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