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自分に合う仕事のみつけ方は? 10足のわらじを履いて働いてきた『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが語る!

自分に合う仕事のみつけ方は? 10足のわらじを履いて働いてきた『テルマエ・ロマエ』のヤマザキマリが語る!

J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』(ナビゲーター:グローバー)1月3日(木)のオンエアでは、木曜日のニュース・スーパーバイザー、堀 潤が登場。この日は「働き方改革」をテーマに、映画化もされた人気漫画『テルマエ・ロマエ』作者で漫画家のヤマザキマリさんを迎えて、仕事について考えました。

ヤマザキさんは17歳で油絵を学ぶために、イタリアのフィレンツェに留学。そこでイタリア人男性と恋に落ちたのち、キューバで妊娠、出産。男性と別れ、息子を養っていくことに……という、波乱万丈な半生を送っています。そんな経験をまとめた著書『仕事にしばられない生き方』が昨年、刊行されました。

二足のわらじならぬ、十足のわらじを履いて生活をしてきたヤマザキさん。「とにかくその場その場で、向き合って対応しなきゃいけないものを乗り越えていくという意識だった」と振り返ります。そんなヤマザキさんが語る、「続けられる仕事」「合う仕事」のみつけ方とは。


■好き嫌いとは別の次元で「続けられる仕事」

「自分のやりたいこと」と、「生きるために稼がなければいけない」という現実の間で、自分のアイデンティティをどう維持していくかに悩む人は大勢います。ヤマザキさんは本の中で、「仕事をすること」「やりたいこと」「自分の自尊心・プライドの置き方」を客観的に見ていく必要がある、と綴っています。ヤマザキさん自身は、アイデンティティについて「ほとんど意識して生きていない」とのこと。

ヤマザキ:私、昆虫とかが大好きなんですよ。昆虫って、ものすごい機能を持って、みんなまっとうに生きてるじゃないですか。明日は鳥に食べられるかもしれない、車に轢かれるかもしれない、人間の足に踏まれるかもしれない……そういうものだと思って、この世で生きている。そんな姿勢が、私も根底にあると思います。その中で、人間としてのスキルをどうやって活かしていくか。私の場合は、外国を点々としているので語学ができたり、映画や小説などのエンタメが好きだったり、といった得意分野があります。その中で、自分ができることがあれば、なんでもやる。特に気になること、自分の自信につながりそうなことも選んでトライしてきました。
グローバー:現在のヤマザキさんは漫画家となっていますが、これもたまたまということでしょうか。
ヤマザキ:漫画家は、私の性格に合っている仕事なんです。好きだから、とかじゃないですね。体もボロボロになるし締切に追われるし、死ぬほど大変な仕事だから。だけども、これだけ長く続けられているのは、合っているからだと思います。始めたきっかけは息子の出産。油絵では食べていけないから、食べていける絵の仕事として漫画にたどり着いた。そして25年くらいやっている。ということは、好き嫌いとは別の次元で、いつまででもやり続けられる仕事なのかなと思います。

ヤマザキさんは、周囲から「働きすぎじゃない?」と言われるほど、エネルギッシュに活動しています。幼少期から2倍くらい活力があり、あだ名が「馬子」だったとか。

ヤマザキ:そういう人は「働かないほうがいいよ」と、どこかに留めておくよりは、疲れるまで動かしておいたほうがいいんじゃないの、って思います。メンテナンスをする意識は必要ですけどね。そういう人は、本当に休まないといけないときは休みますよ、自分でわかるから。


■自分に合う仕事をみつけるには

仕事は自己実現の場でもあり、生活維持のために行うことでもあります。自分がやりたくないこともしなければなりません。会社員であれば、煮え湯を飲まされるような思いで、自分の信条に反することをするケースもあるでしょう。その中で、自分の心を殺さず、見失わずにいるにはどうすればいいのでしょうか。

ヤマザキ:私は基本的に、ストレスを感じたり、自分に無理強いしたりすることは全て排除してきました。苦痛を感じるのは、その仕事が合っていないから。要するに、生産性がないわけですよ、無理してやったって。他の人に「辞めないほうがいいよ」と言われても、合っていないと気づいたらさっくりと辞めます。

ヤマザキさんは、イタリア語の講師、テレビのリポーター、旅行の添乗員、美術館のキュレーターなど、さまざまな仕事に携わってきました。

ヤマザキ:やってみないと、何が本当に自分に合ってて、人々に喜ばれることなのかがわからないじゃないですか。
グローバー:自分に合っているかではなく、人々に喜ばれるというのも大事だと。
ヤマザキ:大事です。ある種の化学反応が起きて、自分が出すものとそれを受け入れる人の中で、ひとつのモチベーションが高まる。仕事の充実感として、そういったものを感じていたいじゃないですか。そういう仕事を選ぶために、どんな仕事でもやると。で、ダメだと思った仕事はやめるということを繰り返してきました。

現在、仕事にストレスを抱えている人、今のままでいいのかと悩んでいる人や、これから社会に出る学生に向け、アドバイスをヤマザキさんにいただきました。

ヤマザキ:簡単なことです。行き詰まったなと思ったら、視野が広いほうに行けばいいだけの話なんですよ。潰しなんていくらでもききます。あと、日本って失敗ってすごくダメなことにされてるじゃないですか。でも、私はよく言うんですけど、失敗って人間の中ですごく大事な要素。失敗、脱落、それからやり直し。そういったものをしっかり汲み取ってないと土台ができないですよ。どんどこい、という勢いでいきましょう。

ヤマザキさんの経験や言葉から、仕事と人生を考えるオンエアとなりました。radikoでもチェックしてみてください。

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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld

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