音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
コメディがなめられる理由って? 松居大悟×万能グローブガラパゴスダイナモスが語る

コメディがなめられる理由って? 松居大悟×万能グローブガラパゴスダイナモスが語る

J-WAVEで放送中の番組『JUMP OVER』(ナビゲーター:松居大悟)。2月24日(日)に舞台『みみばしる』の福岡公演が終了しました。この日の放送では、福岡を中心に活動する「万能グローブガラパゴスダイナモス」から、主宰の椎木樹人さんと演出の川口大樹さんと一緒に、公演を振り返りました。


■周りはみんな辞めていったけど…

松居が椎木さん、川口さんと知り合ってから、10年以上が経ちます。松居が当時、師匠のヨーロッパ企画の福岡公演に手伝いに行ったら、椎木さんと川口さんも福岡公演を手伝っていて、そこで出会いました。

松居:あの頃は、ちょっとだけ知り合いが増えたけど、みんなやめていったよね。
川口:ライバルだと思っていた奴が消えていき……。
松居:しかも、ガラパはシチュエーションコメディをやっている劇団で、コメディをやっていると演劇では大変なんだよね。演劇界では静かな会話をよしとされるから。
椎木:僕らは、軽くて、中身がなくて、宣伝が上手って言われて。でも14年やってるから。
松居:同世代として一緒に駆け抜けていき、ガラパが東京に来る時は手伝ったり、僕らが福岡で公演をするときはガラパにトークに出てもらったり、手伝ってもらったり。


■『みみばしる』は「本当の劇団みたいだった」

ふたりに、『みみばしる』の感想を訊きました。

椎木:素晴らしかったよ。松居は企画で映画を撮ったり、演劇をするのは天才だと思う。今回の作品も企画ありきで、ちゃんと意味があって、それが迫ってくることになるっていうのは、なかなかできそうでできないと思うんだよね。
川口:松居の芝居って泥臭いじゃん。その匂いがちゃんとしてるというか。松居のやりたいことを(出ていた)21人が理解して、みんなでひとつのものを作ろうという匂いがすごくした。それに感動しちゃう。本当の劇団みたいだった。それにすごく胸を打たれた。
松居:確かに。今までプロデュース公演をやってきたけど、今回の団結力は本当に不思議なぐらいで、普通は誰かと誰かが変な感じになるとか、あのシーンがうまくいかないっていうのは、俺伝いで言わないといけないとか、そういうのってあるけど。
椎木:本仮屋ユイカちゃんというバリバリの芸能人と一般の人って、仲よくなっていくものなの?
松居:すごいのは、ユイカさんや、(市川)しんぺーさん、(村上)航さんという年長者の人たちが、気を遣わないでいるチームなの。それでリラックスしてもらって、「お芝居って楽しいんだな」って思ってもらって。そこから作っていったから。


■コメディは真剣さと楽しさのせめぎ合い

一方、松居は「万能グローブガラパゴスダイナモス」がどのような雰囲気でやっているのかが、気になるようです。

川口:コメディだから、楽しく作りたいと思いながらも、最近はちょっとストイックに作ることもあるよね。
松居:コメディほどストイックじゃない?
椎木:劇中で稽古のシーンが出てきて、端から見てると「なんの話してるの?」って感じのときがあるじゃない。ああいうことが、誰も知らない人が見たら起きてるよね。
川口:真剣にやらなきゃいけないことと、楽しくやりたいっていうことのせめぎ合いだね。
松居:だからコメディは作る過程は大変なのに、なめられるっていう。あと、ゴジゲンのときは気になったことがあったら書いておくけど、あれって大変だよね。
川口:しんどいよ。4回目くらいで飽きてるから(笑)。
椎木:時間がないときに、パソコンに書いたダメ出しの文面をそのまま送ってくる時があるの。その文面がけっこう辛辣なの。普段のダメ出しではかなりオブラートに包んでるんだけど、実際は「全然、面白くない」って書いてるみたいで(笑)。


■福岡で戦い、東京公演で“自分たちの立ち位置”を確認

「万能グローブガラパゴスダイナモス」が福岡で活動する理由を訊きました。

松居:ガラパは福岡にこだわりがあるの?
椎木:あるよ。松居も気づいてると思うけど、福岡は演劇をやってる人はいるけど、なかなか根付かない。今でもずっと戦い続けてる。毎年東京公演をするのも、自分たちの立ち位置を確かめるためっていうのがあって。
松居:ヨーロッパ企画も京都を拠点にしてるし。それは格好いいけど、東京に行ったほうが動員とか、観る大人だってきっと増えるじゃん。そこがすごく難しいよね。福岡にこだわるのも凄いし。
川口:福岡には、面白いことが好きな人はいっぱいいるけど、出会えてないのがもどかしいというか。
松居:14年やってても?
椎木:まだまだ知らない人が多いね。僕なんか、毎日福岡のテレビに出てても、全然、顔を指されないから。それは俺の問題か(笑)。


■福岡の人は、面白いことを求めてる!

川口さんによると、福岡の人たちは、「面白いことを欲しがっている人が多い」のだとか。

椎木:松居とかがそうなんだけど、福岡から東京に行って活躍する人たちが、福岡の人はすごく好きなの。博多華丸・大吉さんとか、めちゃくちゃ好きだから。今回の久留米座の公演も“松居が帰ってきた感”がすごかったの。だから俺らも一度、東京に行けばいいのかなと思って(笑)。福岡でも頑張ってるんだけど。
川口:でも、福岡でやって虜にしていくことをやっていきたいよね。
椎木:今回も松居が福岡に来てくれて嬉しいって、俺らは言えるじゃないですか。福岡で14年もやり続けてきたから。それはちょっと、最近嬉しいと思うね。
川口:やってる人って、本当に減っていくからね。
松居:劇場が少ないことも原因にあるの?
椎木:流出しちゃうのが一番デカいと思う。その原因は劇場が少ないことにあると思うんだけど、僕が思うのは福岡の人は福岡のことが大好きだけど、東京へのコンプレックスが強くて、東京で出来上がるものとか、芸能人とかがすごく好きなんだよ。その思いをもう少し福岡の人にくれたらなと思う。俺らも面白いことをやってるから。
松居:なるほど。
椎木:だから、逆に松居が福岡の人に宣伝してくれたら、お客さんがいっぱいくるんじゃないかと思うくらい。それくらい、東京で活躍してる人の影響は強いよ。
椎木:面白いことを、どこでやるかは関係ないとも思うんだよね。
松居:俺は空気感は出るって思ってて、福岡で創るが空気をまとっている、ガラパでしかないものができあがると思ってて。
椎木:でも、自分たちだけわかんないんだよね。福岡でずっと応援してくれてる人たちもいるから、一緒に応援してくれる人たちみんなでもっといい思いをしたいっていう思いはあるし、連れて行って欲しいというのはある。だから、松居が帰ってきて福岡との再会というか、そこに胸を打たれるものがあるね。

番組では「みみばしる」の福岡公演を観劇したお客さんの声も紹介。「迫力がすごくて、真実も大事だけど、言葉で勇気をもったり、夢をもったり、救われることがあることを感じました」「号泣しました。感情が追いつかないので、涙しか流れません」などの感想が届きました。

『みみばしる』は残すところ大阪公演のみ。3月1日(金)から3日(日)まで、近鉄アート館にて行われます。詳細は『みみばしる』公式サイトをご覧ください。

この記事の放送回をradikoで聴く
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『JUMP OVER』
放送日時:毎週日曜 23時-23時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jumpover/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン