ジェーン・スー×吉岡里帆が語る! 女性が年齢を重ねるメリットとは?

2019年08月07日

作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティーなど、幅広く活躍するジェーン・スーと、脳科学者・中野信子の対談集『女に生まれてモヤってる!』が話題になっている。多くの女性が社会に対して感じるモヤモヤや生きづらさは何が原因なのか、多角的に解き明かす一冊だ。

これまでも、女性の共感を呼ぶ著書を多く発表してきたジェーン・スー。彼女は、どんな子ども時代を過ごし、どんな経歴で今の活動をするようになったのか? J-WAVEで放送中の吉岡里帆がナビゲーターを務める番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』で話を伺った。オンエアは8月4日(日)。

radikoで聴く! 『女に生まれてモヤってる!』で吉岡里帆が気に入ったところは?



■人と"形"が違うのがコンプレックスで...アメリカ留学で解消

ジェーン・スーは、東京都文京区の出身。幼稚園の頃からパワフルで、親が「ちょっとあなたのお子さんが暴れすぎよ」と呼び出されて転園した......という経験も。"体が大きい"というコンプレックスがあったのだそう。

スー:身長は小学5、6年生で160cmを超えていたんですけど、細くてひょろ長い子ではなくて、おばさんのような体型というか、肉付きもよくて。「まわりの子と"形"が違うな」というコンプレックスはありました。そのわりには、みんなを引っ張ってどこかに遊びに行くのが好きでした。今から考えると体が大きい人がそういうことをすると、強制力が強いな、って思います(笑)。

生まれたとき、母親は41歳。「遅くに生まれたからあまり遊んでもらえない」と思われることを嫌がったのか、全力で遊んでくれたという。友だちを集めて観光バスをチャーターして旅行、なんてことも。

スー:楽しかったですよ~。みんなと一緒にスキーに行ったり、みかん狩りに行ったり、サイクリングに行ったり。本当にありがたいと思います。そんな小学生でした。

大学時代は1年間、アメリカに留学をした。ジェーン・スーという名前は、留学先のルームメイトだったジェーン・ウェルチさんをもじったものだとか。このアメリカ生活で、「自分の"形"は人と違う」というコンプレックスが解消された。

スー:アメリカには、いろんな"形"のひとがたくさんいて。人種もそうだし、身長もそう。そんじょそこらじゃ目立たない。埋没する感じがすごく楽しくて、「ここでは自由に、やりたい放題やっていいんだ」という開放感を感じましたね。民族もたくさんいるから、「これが普通」とかって言えないんですよ。それが心地よかったですね。
吉岡:いいですね。アメリカ、行ってみたいです。
スー:旅行はされるんですか?
吉岡:旅行はしたことがなくて......。
スー:そんなわけはないでしょ(笑)!
吉岡:あはは(笑)。いや、でも、ほんとうに。仕事以外で海外に行ったことがないんですよ。
スー:あー、そっか! なるほどね。
吉岡:プライベートでも行かれますか?
スー:私は仕事が好きだから、30代の頭くらいから7、8年、まったく休まずに働いていたんですよ。でも、いい加減に休みをとったほうがいいなあと、2、3年前から夏休みをもらうようにして。バリ島やタイに行って、ひたすらぼーっとしていますね。
吉岡:いいなあ~。


■信頼している人から「できるよ」と言われたら、とりあえず乗ってみる

帰国後はレコード会社に就職し、プロモーターに。人の頼みで、それまで経験のなかった作詞にもチャレンジした。

スー:レコード会社の同僚が会社を立ち上げて、はじめは資料作りを手伝ったんですけど、「今度は歌詞を書いてくれ」と。職種を飛び越えてると思ったけど「できるからやってみなよ」って言われて、そこが大きな分岐点になりました。実績があって、しかも人の実績を横取りしない、そういう信頼している人が「できる」と言ってくれたことだから、飲み込んでみようと思ったんです。最初は手取り足取り教えてもらいましたが、そこから道が開けたので、それ以降も信頼している人が「(あなたなら)できる」って言ってくれたら、とりあえず乗っかるようにしています。

その後、メガネメーカーに転職。なぜ全く違う業界に?

スー:大きなレコード会社だったから、自分がやっている部署の仕事しかわからなかったんです。どうやってレコードやCDがプレスされて、店頭で営業担当者がどんな受注をしているのかもわからなかった。「ものづくりの会社にいて、作ってるところから売るところまでをわかっていないのはおもしろくない」と思って。転職をするんだったら、デザインから店頭での売り方まで見られる仕事がしたいと思っていろいろ探していたところ、声をかけてもらったんです。
吉岡:なるほど!

そして、36歳でコラムニストとしてデビュー。活動を開始した頃も今も、「こういう本を出版したい」などの展望は全くないのだとか。

スー:人生、行き当たりばったりだから、来年も何をしているかわからないです。
吉岡:かっこいい......! めっちゃ自由ですよね、ある意味。
スー:いやいや、無計画なんです。46歳になると、できること、できないことがわかっちゃって、何年後とかを見据えて逆算して細かく努力して......ということができないんです(笑)。だからそのときに楽しいことを優先してます。その代わり、積み上がるようなことはしたいなと思っています。


■女性のモヤモヤ、原因は「世の中のバグ」では?

最新刊の『女に生まれてモヤってる!』(小学館)。ライフスタイルに多様性が生まれ、ゴールがなくなった現代おいて、女性がどうすれば心地よく生きられるのかを、ジェーン・スーと中野信子が考える本だ。目次は『「女らしさ」とは自己決定権を手放すこと』、『男社会で設定されたゴールがすべてじゃない』など。モヤモヤを解消するヒントを与えてくれる一冊だ。

スー:(吉岡さんは)モヤってます?
吉岡:モヤってます!
スー:モヤりますよね~。20代半ばまでは、モヤモヤの原因は自分のせいだと思ってたんです。うまくできないのは自分のせいだ、とか。でも、「これはもしかして、世の中のシステムにバグがあるんじゃないの?」と気づいたんです。誰かが悪いわけではなく、誰もが気づいていないバグでつまずいているだけなんじゃないか、と。その話を中野さんにしたら、彼女もモヤってたから、「じゃあふたりで話そうよ」っていうことで、本になりました。
吉岡:目次からして、おもしろいですよね。たとえば、「個体として弱くなる時期をどう乗り切るか」。こういう時期ありますよね。
スー:体の仕組みとして弱る時期もあるし、有性生殖の非対称性がどうしてもある。女性は妊娠したら1年近く自分の体が脆弱になって、出産してしばらくは元には戻らない。そこがテクノロジーの進化で今後どんどん変わっていくと思うし、そうなったときに我々の未来はどうなるのか、とか。現状だと弱くなってしまう時期があるから、どうやって準備して乗り切るのかとか、理解してくれる人とパートナーを組んでやっていくのかとか......そういうことを、若いときに知っていたかったですよね。タイムマシーンに乗って、この本を26歳の自分に届けたい。「大丈夫、大丈夫」って。

吉岡は「どれも背中を押されるんです」とコメントし、中でも印象的だったトピックとして、「『女に賞味期限がある』は食う側の価値観」を挙げた。

スー:中野さんがいいことを言ってるんですよ。「女は食い物じゃない」って。
吉岡:本当にそうですよね。
スー:そうやって(女性を)賞味期限があるものとして見る人と、そうではなく人間として見る人がいますよね。年齢を重ねて一番よかったのは、前者の目に映らなくなるんです。完全に透明人間化できるから、40歳にして「人間宣言」ですね。
吉岡:かっこいい!
スー:そういう人たちから全然目に入らなくなるので、「イエイエーイ!」って言う感じ。
吉岡:それも印象的でした。「女性が人間になれるのに時間がかかる」というところ。
スー:我々は、ようやく人間になれました。

この日は他にも、ジェーン・スーの思い出の街の話や、欲しいものの話などで盛り上がった。ぜひradikoで聴いてみてほしい。

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【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時:日曜18時-18時54分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/
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