やまだかつてない「テクノコント」って? お笑いファン必見のライブ、見どころをメンバーに訊いた

今回、取材をした「テクノコント」メンバー

ARやVRやAIなどの最新テクノロジーをコントに取り入れて、新しい笑いや驚きを巻き起こす。そんな他に類を見ないジャンル「テクノコント」の特別公演が9月29日(日)、東京・六本木ヒルズで楽しめる。

公演が行われるのは、日本最大級のデジタル・クリエイティブフェス「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2019 supported by CHINTAI」(通称・イノフェス)。9月28日(土)と29日の2日間、六本木ヒルズで開催されるイベントだ。

テクノコントは舞台装置をAR三兄弟が開発、おぐらりゅうじが構成を担当する新感覚のコントライブ。2018年にジャンル丸ごと旗揚げ公演を行って話題を呼んだ。メンバーは、ラブレターズ、男性ブランコ、ワクサカソウヘイ、マツモトクラブに加えて、今回はYouTubeで「無駄づくり」と称して発明品を発表する藤原麻里菜が初参加する。

テクノコントとはなんなのか。技術とお笑い、ふたつを掛け合わせることに、どんな思いを込めているのか。「J-WAVE NEWS」では稽古現場に足を運び、メンバーにインタビューを行った。

【今回、取材したメンバー】

・AR三兄弟(長男・川田十夢、次男・高木伸二、三男・弘田月彦)
・おぐらりゅうじ
・ラブレターズ(塚本 直毅、溜口 佑太朗)
・男性ブランコ(浦井のりひろ、平井まさあき)
・マツモトクラブ
・藤原麻里菜


■テクノロジーをユーモアたっぷりに活用し、人間の根源に迫るコントに

――自己紹介と、「テクノコント」の成り立ちを教えてください。

AR三兄弟・川田十夢(長男):公私ともに長男の川田です。テクノコントは2018年の劇公演から始まって、実験的なネット番組(デバッグ・トゥ・ザ・フューチャー)などを経て、現在は僕がナビゲーターを務めるJ-WAVEの番組『INNOVATION WORLD』(金曜/20:00-22:00)の中で放送されているラジオコントへと続いているものです。舞台、映像、ラジオとメディアの変遷を経て、また舞台で立体的にやろうと。いつものメンバーに、今回は"無駄づくり"の藤原麻里菜さんが加わっています。
ラブレターズ・塚本 直毅:ラブレターズの塚本です。
おぐらりゅうじ:えっ、このタイミングで喋るんだ!?
塚本:いま川田さんが仰ってくれたとおりです。
ラブレターズ・平井まさあき:それ言わなくて大丈夫だよ!
全員:(笑)

テクノコント

――そもそもAR三兄弟は、なぜ「テクノコント」を"開発"したんですか?

川田:「最新テクノロジー」は、もう目新しいものじゃないですよね。とくにメディアアートの世界では、テクノロジーを使ったモノで溢れている。日常で使っているモノのほうが凄いから、ちょっとしたテクノロジーを使っただけではメディアアートとして機能しなくなっている。何か違うアプローチができないかと。AR三兄弟は、アートの顔をせずにネタとして技術を見せる活動を十年続けてきたのですが、三人だけでは舞台上の表現力に欠けるところもある。

――それで、芸人に一緒にやる形になったと。

川田:テクノコントのメンバーである、ラブレターズ、男性ブランコ、マツモトクラブ、ワクサカソウヘイくんは、もともと個人的に単独ライブを観にいくほど好きな人たち。彼らのネタは、人間を描く解像度が高いなと感じる。「この人たちの力を借りたら、人間の根源に迫るような、最新技術の向こう側にある、未来のユーモアを描けるんじゃないか」と思ってやっています。

テクノコント

テクノコント

テクノコント
(「テクノコント」稽古の様子)

――藤原麻里菜さんは今回が初参加ですね。YouTubeで「歩くとおっぱいが大きくなるマシーン」「札束でぶたれるマシーン」など"無駄なモノ"を作って発表されています。

川田:藤原さんが作っているモノは、テクノロジーを無駄に使っていて。本当に役に立たないのがいい(笑)。すなわち、人間が技術に期待しているものとのギャップでもある。そこをうまく突いた、どっちかというと「作る人」だけど、「演者」としてもおもしろいんじゃないかと彼女が作る映像を観て思ったんです。今回はそちらも"拡張"しようということで、ステージに上がっていただくことにしました。
藤原麻里菜:作ったモノはこれまで映像でしか使っていなかったので、お客さんの入った舞台に置かれるとどうなるか楽しみです。今日の稽古でみなさんに見ていただいて、実際に装着していただいたりして......無駄なモノをつけていただいて申し訳ないと思いつつ(笑)。本番で壊れないように気をつけます。

テクノコント


■ネタありき? テクノロジーありき? ネタ作りも挑戦のひとつ

――ネタはどんなふうに考えているのでしょうか。ネタに合わせて使うテクノロジーを考えるのか、その反対か。

川田:ネコのTシャツを着てる平井くん、どうですか?
男性ブランコ・平井まさあき:このTシャツ、高円寺で買ったんです。
ラブレターズ・溜口 佑太朗:いいよその情報は(笑)。
平井:ネタ作りは2パターンあります。僕らがやりたいコントがあって川田さんに「こんなことできますか」と相談することもあれば、川田さんが温めているテクノロジーを僕らが聞いてネタを組み立てることもあります。
塚本:往復するうちに、想定とは違うものに仕上がっていくこともあって。芸人の頭だけで作るコントとは違うエッセンスが入って新しいものに仕上がっていく感じがいいなと、ラブレター塚本は思ってます。
平井:そんな名前の出し方ある(笑)?
川田:会社名の「前株」「後株」みたいな感じだね(笑)。
おぐら:平井くん、ちょっと言葉で「テクノコント」を例えてみてよ。
平井:一言で言うならば、テクノロジーとコントのウェディングなんですよ。こんな相性の合う相手はいないんじゃないか。
全員:......?
平井:響かないですね!
全員:(爆笑)

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平井:でも、めちゃくちゃ相性がいいと思いますね。
塚本:藤原さんの無駄作りって、テクノロジーを使って、人間味のあるモノを作りますよね。さらに今回はそれを使って、舞台上で、どう無駄な時間を作ろうかとしているじゃないですか。
平井:無駄が無駄を呼ぶ。
川田:みんなお金を払って無駄なものを観るという。
塚本:それがすごい気持ちがいいですよね。
平井:すごく、人間ですよね。人間なんですよ。
全員:......?
平井:ちょっとまた違いましたね(笑)。
川田:ネコのTシャツの人の発言は自動的にカットで......(笑)。
塚本:Tシャツを高円寺で買った情報だけ残るっていう(笑)。
全員:(笑)
川田:マツモトクラブはどうですか? ピン芸人だから、チームで作るのも珍しい機会だよね。
マツモト:僕は音を使ってコントをやっているので、もともとテクノロジーを使っているのかなとは思います。ただ今回は普段のネタ作りで用いるような身近なものではない、未だ関わったことがないようなテクノロジーをAR三兄弟によって使わせてもらって、未知の世界のコントを僕らは今やっています。

テクノコント

全員:口調が翻訳(笑)。
川田:こういうネタの作り方もチャレンジかなと思っています。


――AR三兄弟はステージではどんな役割を務めるのでしょう? また、おぐらさんは「構成」とのことですが、どんなことを?

川田:三男、話す? 今日、一回も話してないよね(笑)。
AR三兄弟・弘田月彦(三男):......話してない(笑)。
川田:(笑)。AR三兄弟はこれまで、ミュージシャンと一緒にステージをやったりテレビ番組を作ったりしていて。そのとき舞台装置を作ったり本番で裏方を担当したりしているので、今回も裏方を務めます。おぐらくんは文章の編集者だけど、構成作家や映画監督など多岐にわたって活躍していて。コントは文字の状態から生き物のように舞台になる。その動かないものを立体的にする"行き来"を冷静に見てくれる人がほしくて、おぐらくんにはネタを考えるときからいてもらっています。


■AIが「かわいい後輩」になった瞬間

――テクノコントでは、後ろの映像と演者の動きが融合することがありますよね。例えば今回も披露されるという「テクノ落語」は、そばを食べるフリをすると、後ろのスクリーンではそばが現れるという。合わせる部分をAR三兄弟が担っているということですね。実際にステージに立つ側としては、どんな感覚ですか?

溜口:浦井くんと僕は、ネタ会議にはあまり参加していなくて。浦井くんの「テクノ落語」も、その状態で台本とテクノロジーを手渡されて、何をやっているか舞台上でもわからないんですよ。
男性ブランコ・浦井のりひろ:だから、驚くタイミングがお客さんと一緒なんです。「すげえ!」と思いながら落語してます(笑)。
塚本:反応に嘘がないよね(笑)。
溜口:以前の本番中に印象深かったアクシデントがあって。スマホと映像をリンクさせる演出のときに、ボタンを押しても仕掛けが起動しなくて、連打したら少し遅れて何度も動いてしまったんですね。そのとき川田さんが「ARも緊張しちゃったんだな」とコメントして、塚本さんがうまくフォローしたんですよ。
塚本:ARが舞台上の共演者になった感じがしたんです。新人のかわいらしい後輩がミスをしたからフォローしようという。

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浦井:そのステージの前が僕の「テクノ落語」で、スマホが動かなかったりしたんですけど、僕は咄嗟に何も言えなくて......塚本くんのフォローを見て「すげえ!」とも思ったし、悔しさも感じたな。
川田:そういえば浦井くん自己紹介してないよね。
浦井:あ、そうです! 男性ブランコの浦井です。妹が双子です。
川田:えっそうなんだ!?
溜口:へえ! ひととなりを知らないんだよな、このメンバー。ずっとテクノロジーの話で盛り上がっているから。
川田:溜口くんと浦井くんは普段はネタを書いていないけど、ラジオコントでは書いてもらってて。今回もひとつ披露されます。普段の単独でも行われないタイプのコントが見られるのも、お笑いファンにとってひとつの魅力だと思います。


――来場予定の方にメッセージをお願いします。

川田:じゃあ最後はずっとパソコンを打ってる次男におまかせしましょう。
AR三兄弟・高木伸二(次男):(カタカタ)
全員:......。
川田:最後の一言ですよ(笑)! 聞いてた?
次男:仕事してました。
おぐら:......僕がまとめると(笑)、テクノロジーって利便性が強調されがちですよね。何かをスムーズにしたり、省略したり、かっこいいというイメージが先行している。そんな中で、AR三兄弟は笑いに活用していて。そういうアプローチは今までメディア芸術祭などでは「こういうものがあるんですよ」とプレゼンテーションする形で発表されていました。「テクノコント」のように、芸人さんがコントに落とし込んで演じるという形は僕たちしかやっていないことなので、見どころだと思います。
川田:さすが編集者! 次男がコメントを奪われるまとめっぷり。
次男:(カタカタ)
溜口:......もしかしたらタイピングの音が言葉に聴こえるのかもしれない(笑)。

テクノコント

(イラストを再現!)

テクノコント

お笑いファンにとっても新体験になりそうなテクノコント。ぜひ「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2019 supported by CHINTAI」に足を運んでみてほしい。9月28日、29日の開催で、テクノコントの公演は29日。詳しくは公式サイトをチェック!

■「J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2019 supported by CHINTAI」公式サイト
https://www.j-wave.co.jp/iwf2019/

(取材・文=西田友紀、写真=加藤アキヤ)




■開催概要
タイトル: J-WAVE INNOVATION WORLD FESTA 2019 supported by CHINTAI
日時: 2019年9月28日(土)、29日(日)
場所: 六本木ヒルズ
チケット: レギュラー1日券 2,800円(税込) / 2日券 5,000円(税込)
プレミアム1日券 10,000円(税込) / 2日券 19,000円(税込) ※プレミアム2日券はSOLD OUT
主催: J-WAVE / 筑波大学
後援: 文部科学省
特別協賛: CHINTAI
企画制作: J-WAVE / 筑波大学 / HOT STUFF PROMOTION / Nu ink.
イベントHP: https://www.j-wave.co.jp/iwf2019/

・9月28日(土) 登壇イノベーター ※五十音順
◆AmPm(アーティスト)
◆池澤あやか(タレント/エンジニア)
◆石川善樹(予防医学研究者)
◆井上博夏(JAXA研究開発員)
◆上原浩治(元メジャーリーガー)
◆大坂武史(Activ8株式会社 代表取締役)
◆小川彩佳(ニュースキャスター)
◆亀田誠治(音楽プロデューサー)
◆河口まなぶ(モータージャーナリスト)
◆川田十夢(AR三兄弟 長男)
◆キズナアイ(バーチャルタレント)
◆草野絵美(アーティスト)
◆KREVA(アーティスト)
◆古坂大魔王(芸人/ピコ太郎プロデューサー)
◆桜木健二(佐渡島庸平)(VTuber)
◆齋藤精一(ライゾマティクス代表)
◆ジェイ・コウガミ(デジタル音楽ジャーナリスト)
◆鈴木貴歩(エンターテック・アクセラレーター)
◆田端信太郎(株式会社ZOZO執行役員 コミュニケーションデザイン室長)
◆田原総一朗(ジャーナリスト)
◆中田敦彦(オリエンタルラジオ)
◆VERBAL(m-flo/PKCZ(R))
◆原田尚美(JAMSTEC上席研究員)
◆堀潤(ジャーナリスト)
◆本間希樹(天文学者/ブラックホール撮影者)
◆吉田朱里(NMB48)
and more!

・9月28日(土) ライブ出演アーティスト ※五十音順
◆AI Tommy(AIアーティスト)
◆EXILE SHOKICHI
◆パスピエ feat. Nu ink.
◆VELTZ
◆松武秀樹(Logic System)
◆Renick Bell

・9月29日(日) 登壇イノベーター ※五十音順
◆天野春果(TOKYO2020組織委員会イノベーション室エンゲージメント企画部長)
◆市原えつこ(メディアアーティスト)
◆宇野常寛(評論家/PLANETS代表)
◆江渡浩一郎(メディアアーティスト/産総研主任研究員)
◆落合陽一(ピクシーダストテクノロジーズ代表/メディアアーティスト/筑波大学准教授)
◆川田十夢(AR三兄弟 長男)
◆小泉文明(メルカリ取締役社長兼COO)
◆佐渡島庸平(編集者)
◆☆Taku Takahashi(m-flo,block.fm)
◆武井壮(百獣の王)
◆谷尻誠(建築家)
◆土屋敏男(テレビプロデューサー)
◆堤達生(STRIVE代表パートナー)
◆西村真里子(HEART CATCH代表)
◆羽生善治(将棋棋士)
◆ハヤカワ五味(ファッションデザイナー)
◆平井理央(フリーアナウンサー)
◆箕輪厚介(編集者)
◆三宅陽一郎(ゲーム開発者)
◆暦本純一(東京大学院教授)
and more!

・9月29日(日) ライブ出演アーティスト ※五十音順
◆赤坂陽月(即興音楽家/僧侶)
◆IA feat. DANTZ
◆indigo la End feat. Lyric Speaker
◆AKB48 feat. ☆Taku Takahashi(m-flo,block.fm)/ m plus plus / BENZENE by VMTT / SYMDIRECT / AI Tommy
◆SASUKE
◆せきぐちあいみ(VRアーティスト)
◆テクノコント(川田十夢、ラブレターズ、男性ブランコ、マツモトクラブ、ワクサカソウヘイ、おぐらりゅうじ、藤原麻里菜)
◆モーリー・ロバートソン(DJ/ジャーナリスト)
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