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安室奈美恵『Hero』の音楽プロデューサー・今井了介、テーマソング作りで心がけていること

安室奈美恵『Hero』の音楽プロデューサー・今井了介、テーマソング作りで心がけていること

J-WAVEで放送中の番組『TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「MORNING INSIGHT」。2月19日(水)のオンエアでは、音楽プロデューサー・今井了介がゲストに登場。クリエイティブの極意についてインサイトした。


■著書『さよなら、ヒット曲』を紹介

今井は、安室奈美恵『Hero』、Little Glee Monster『ECHO』などのヒット作を手がける音楽プロデューサーだ。2019年10月には著書『さよなら、ヒット曲』(ぴあ)を発売。音楽シーンにおけるプロデュース論が綴られている。

別所:『さよなら、ヒット曲』というタイトルは刺激的ですね。
今井:ヒット曲がいらないということではもちろんないです。僕が音楽を作りだしたのは、1990年代の中盤から終わりのころだったんですね。僕が「こういう音楽を作りたい」と思ったとき、当時のヒット曲とズレがあったんですよ。自分は19~20歳のころだったんですが、当時30~40代ぐらいのベテランプロデューサーが手がける曲がものすごくセールスを上げていたんですね。だけど、自分の感覚とはちょっと違っていたんです。「こんなヒット曲はいらない、自分が新たな作品を作ってやる!」という若気の至りが、僕の音楽の原点なんですよ。僕は今、キャリアを積み上げてきて48歳になりました。今、19~20歳の子が「今井の曲なんてダサい。自分の曲のほうがイケている」って思っていたら、「それが正解だぞ!」って言いたいですね。そういうことを記した本です。
別所:わかりました。次の世代に向けてのエールなわけですね。
今井:そうです!


■楽曲『Hero』や『ECHO』はどのように生まれたのか

NHKリオデジャネイロオリンピック・パラリンピック放送テーマソングとして『Hero』、「ラグビーワールドカップ」のNHKラグビーテーマソングとして『ECHO』が選ばれた。イベントのテーマソングをプロデュースする際に、今井が意識することを明かした。

今井:アーティストのカラーに合っているかどうかを考えます。洋服でいうところの「プレタポルテ」と「オートクチュール」です。プレタポルテは既存のもの、オートクチュールはその人だけに作られたものという意味です。アーティストが今どんなステージにいて、次はどんなシーンを目指すのかを考えます。そして、オリンピックやラグビーという大きなテーマに対して、どこか沿っている。だけど、そのイベントが終わってもアーティストが歌い続けます。そうするとアーティストも成長していくじゃないですか。なので、アーティストの姿をどこかで投影している曲であること、そのへんの共通点や伸びしろも意識しました。たとえば、好きな映画や本って、3年後や5年後に観たり読んだりすると、新しい発見があったりするじゃないですか。そういう曲を作れたらいいなといつも思っています。

『さよなら、ヒット曲』は好評発売中。この機会に今井のプロデュース論に触れてみては。

『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。お楽しみに!

【番組情報】
番組名:『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』
放送日時:月・火・水・木曜 6時-9時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/tmr

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