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りゅうちぇるが考える、ジェンダー平等な社会とは「性別ではなく、名前を人生の中心にして生きていくのが大事」

りゅうちぇるが考える、ジェンダー平等な社会とは「性別ではなく、名前を人生の中心にして生きていくのが大事」

サステナブル(持続可能)なライフスタイルを見つめる、J-WAVEの特別番組『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL FUTURE IS YOURS!』(ナビゲーター:グローバー・堀口ミイナ)。5月4日(月)のオンエアでは、ゲストにりゅうちぇるが登場。自分の個性を受け入れるようになったきっかけや、りゅうちぇるが考える持続可能なライフスタイルについて語った。


■“りゅうちぇる”になる前は、自分を偽っていた

ゲストで登場したタレントのりゅうちぇるは、RYUCHELLの名義で音楽活動もおこなっている。2018年には愛息子の名前「リンク」から取った楽曲『Link』をリリースした。「人それぞれの個性を尊重し合う」というメッセージを発信し続けているりゅうちぇるだが、以前は本当の自分を隠していた時期があったという。

りゅうちぇる:僕はかわいいものが大好きなんですが、だからと言って男の子が好きということでもなくて、女の子が好きなんですね。でも小さい頃から、そういう理解はされませんでした。たとえばバービー人形で遊んでいたら、「おまえは男が好きなんだろう」って言われたりして。なにか行動したら、みんなとは違っていたって経験がすごくありました。

自分らしくいることは大事だと思いながらも、「このままだと僕は孤独になってしまうな」と感じたり、「誰かから見るとワガママになってしまうんじゃないか」「普通の人に生まれたかった」と悩んだりして、思春期には本当の姿を偽っていたという。

りゅうちぇる:中学時代は、低い声で話してみたり、カラオケで歌えるように嫌いな歌を聴いたり、嫌いな香水を使ったりして過ごしていました。すると、一緒に行動するような友だちはできても、本当の友だちはできなかったんです。孤独になりたくなくて自分を偽ったけれど、結局は孤独でした。そのあとは地元の友だちが誰もいない高校に行って、そこから“りゅうちぇる”でスタートしました。
グローバー:つらい中学生時代を過ごされていたんですね。
りゅうちぇる:とてもつらかったです。子どもの名前を「リンク」だと公表したときも“キラキラネーム”だってすごく言われたんですね。だけど、子どもの名前って子どもへの最初のプレゼントなわけだから、適当に名付ける親なんていないと思うんですよ。だからこそ僕は『Link』の歌詞のなかに「キラキラ」という言葉を使って、ポジティブな気持ちに変換しました。自分をキラキラさせたいことが相手にとって目障りで、何かを言われたりすることもあるけれど、文句や傷ついた言葉でさえもキラキラで返していくことを大切にしました。


■自分を愛せるようになったきっかけ

ありのままの自分を愛することができなかった中学生は、いかにして“りゅうちぇる”になったのか。こんなきっかけがあったそうだ。

りゅうちぇる:かわいいものが好きってことは、男の子が好きだったほうが周りにとって“わかりやすい”存在になれたのかなって考えるようになったりして、自分の存在がわからなくなっていました。そんなときって、めちゃくちゃ悔しくて泣いちゃうじゃないですか。それでふとしたときに鏡を見たら「(つらくて泣いていても)顔はかわいいな」って思っちゃって(笑)。
堀口:セルフラブですね。
りゅうちぇる:そうですよ。「いろんなことを言われるけれど、僕はやっぱりかわいい」って、自分を褒めてあげる。そうやって心のなかに強い“りゅうちぇる”っていう人間を作ったんですよ。そうしたら、たとえ人からバカにされても「これが最先端だから」って思えるようになって。そこから人生も、パワーがあるポジティブな心に引っ張られるようになりました。考え方をポジティブに変えたら人生が楽しくなって、味方も増えましたね。
グローバー:そういったご経験があるから、いろんな場所で自身の思いを伝えているんですね。今、そうした思いを伝える上で意識していることはありますか?
りゅうちぇる:多様性ってすごく大事だなって思っていて。たとえば、自分に対して文句を言ってきた人がいたとして、それを僕が真っ正面から否定したら、それって多様性ではないんですよね。文句もしっかりと受け入れて「そういう意見もあるんだ。だけど強要はしないでね」って伝える。そういう、意見を強要しないことを実現できるのが多様性だと僕は思っています。いろんな意見があってSNSやメディアで発信する場合も、否定はしないで、まずは意見を受け止めてから自分の考えを話すように意識をしていますね。


■ジェンダー平等を実現するために「自分の名前を人生の中心にして生きていく」

2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標」であるSDGs(Sustainable Development Goals)では、「ジェンダー平等を実現しよう」が組み込まれている。りゅうちぇるはジェンダーについてリスナーへメッセージを伝え、サステナブルなライフスタイルについてもトークを展開した。

りゅうちぇる:理想は、ジェンダーの平等を望まなくても、すでにそれが実現できている社会ですね。今って、人と人とが繋がって、人と人が好きになる時代じゃないですか。たとえば自己紹介をするときに「りゅうちぇるです。男です」って、言わないですよね。性別が肩書になる部分ってあると思うんですけれど、まずはしっかり“自分の名前”を意識する。自分のなかにあるいろんな肩書じゃなくて、自分の名前を人生の中心にして生きていくことが、大事なんじゃないかなって思います。
堀口:サステナブルなライフスタイルを見つけるのが番組のテーマなのですが、りゅうちぇるさんの「世のなかをグッドにするためにできる、ちょっといいことのアイデア」を教えていただけますか。
りゅうちぇる:こういうときだからこそ、自分を見つめ直したり、自分のレベルを上げるということが大事なのかなって思います。僕はYouTubeでメイク動画とかを配信しているんですが、この機会に違うメイクを試してみたりしています。なぜかと言うと、外出自粛が解除されてメディアに出るようになったときに「あれ? りゅうちぇるかわいくなった?」って言われたらうれしいじゃないですか。

大変な時期だったけれど、得たものもある。そう考えることができれば、すべてが悪い思い出ではなくなると、りゅうちぇるは思っている。

りゅうちぇる:僕にとってはメイクが自分の気持ちを高める方法ですが、歌の練習だったりギターの演奏だったり、自分の気持ちを高める方法を探すことが大事かなと思います。あとは、自分にとっての癒しを見つけてみるのもいいと思います。僕の場合は、キャンドルや大好きな映画を観ることですね。そういうそうしたら忙しくなったときに「そうそう、僕にはこういう癒しがあったんだ」って思い出せる。“探し”をすることが大事かなって思います。

“自分探し”は、青臭いものとして捉えられることも多い。しかし、自分が何を求めているか明確にすることは、豊かな人生を歩むために必要不可欠だ。忙しい日々に流されがちな人も、「自分が好きなものってなんだろう?」と立ち止まって考えてみては。

【番組情報】
番組名:『J-WAVE HOLIDAY SPECIAL FUTURE IS YOURS!』
放送日時:2020年5月4日9時-17時55分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/holiday/20200504/

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