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なぜ「新型コロナに対応しない病院」があるのか? 医師が解説する役割

画像素材:PIXTA

なぜ「新型コロナに対応しない病院」があるのか? 医師が解説する役割

J-WAVEは現在、在京民放ラジオ放送局5社(J-WAVE・TBSラジオ・文化放送・ニッポン放送・TOKYO FM)からなる横断プロジェクト「#医療現場を応援」に参加している。東京都病院協会を中心に“医療関係者(臨床家・研究者・医療機関関係者等)”と連携し、新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)と闘う医療現場のリアルな現状や課題を情報発信し、医療現場の方々ひとりひとりへのサポートに繋げる共同プロジェクトだ。

【関連記事】「#医療現場を応援」
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J-WAVEで5月23日(土)にオンエアされた『RADIO DONUTS』(ナビゲーター:渡辺 祐・山田玲奈)では、東京都大田区にある髙野病院の髙野研一郎院長がリモート出演。あえて新型コロナに対応しない病院の重要な役割を伝えた。


■病院は大きく3つの分類に分けられる

病院は大きく3つの分類に分けられる。急性期病院、回復期病院、慢性期病院だ。病気になってからの経過に準じて決められる。

髙野:急性期とはいわゆる救急病院で、病気や怪我をしたり救急車で運び込まれたりする病院です。急性期病院で治療を受けて治れば自宅に帰れるわけですが、回復やリハビリが必要な人が移る先が回復期病院。回復期病院で十分に治れば自宅に帰ることができますが、やはりそこでも治らない人や医療が継続して必要な人が移る先が慢性期病院です。


■慢性期病院である髙野病院が、新型コロナを受け入れない理由

慢性期病院である髙野病院は、コロナの症例を受け入れない努力をしてきた。入院患者への感染を防ぐためだ。

髙野:慢性期病院患者さんは虚弱で、体力や免疫力が落ちています。そこにコロナが入ると、一気に病棟内に感染が広がり、みんなの命に関わってしまう。そういうことが必ず起きるので、慢性期病院がコロナの症例を受け入れるのはとても危険なんです。


髙野:病院の職員が感染していて病院内にコロナが持ち込まれる可能性もあるので、職員の健康や衛生状態には非常に気を遣いました。体温確認、手洗い、マスクを必ず着用する、決してマスクを触らないようにする、手を首から上にもっていかないなど徹底しています。


■いつかは医療界全体で協力する必要がある

今はコロナの患者を受け入れない判断をしている髙野院長。しかし長期的なコロナとの向き合いとして、今後は医療界全体が協力する必要性も見据えている。

髙野:慢性期病院の患者さんは、ほとんどが急性期病院での治療を経て入院してきます。そのため、今コロナの治療のために急性期病院に入院している方が今後慢性期病院に転院してくることも予想されます。コロナは長期間体内でどのように活動するかがわからない未知のウイルス。私たちは今から、今後の受け入れの不安を感じている状況です。しかし、どの期の病院もやがてコロナの患者さんに関わることになります。今は慢性期病院がコロナを受け入れない重要性を考えていますが、いずれはすべての病院や医療界が一体となってコロナと闘うでしょう。「みんなでともにコロナと闘うんだ」という意識でやっていきたいと考えています。

最前線で新型コロナウイルスと闘う医療現場では、それぞれがそれぞれの役割を必死に果たしている。私たちも今以上に医療現場をひっ迫させないよう、ひとりひとりが感染拡大防止に努めよう。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月30日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『RADIO DONUTS』
放送日時:毎週土曜 8時-12時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts

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